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投資対象をよく知ることから始めよう
2013.03.10

資産運用のヒント第12回

投資対象をよく知ることから始めよう

著者 河野 富有

 江戸時代、井原西鶴によって書かれた「日本永代蔵」には、「さまざまなタイプのお金持ちが、お金持ちになれた理由」が書かれており、現代人にも参考になる部分が多いです。「日本永代蔵」の「巻二」には、「世界の借家大将」という物語がおさめられています。

 

藤市はなぜ「茄子の初なり」を買わなかったか

藤市はなぜ「茄子の初なり」を買わなかったか この物語の主人公は「藤市」という商人で、「利益を多く、損失・支出を少なくするには、どうすべきか?」を常に考えています。
 たとえば、藤市の店の近くに「茄子の初なり」を売り歩く声が響きます。これを食べると、75日長生きすると言われる縁起物。「一つは二文、二つは三文」と聞けば、「2つ買ったほうが得をする」と思ってしまいがちですね。
 しかし、藤市は1つしか買いません。なぜなら、「茄子の旬の時期になれば、今使わなかった一文でもっと大きな茄子が買えるから」というのです。

 

藤市の判断力はどこから生まれたか?

 藤市は、なぜこのような判断ができたのでしょうか?
 それは「茄子というものをよく知っているから」です。茄子を売る人は「初物ですので縁起はいいですが、あまり美味しくはないですよ」とは言ってくれないのです。しかし、藤市自身が「今は、旬ではない」と知っていたからこそ、「もっと大きな茄子を買うタイミング」を計るという判断ができたのです。

藤市の判断力はどこから生まれたか? もう一つは「周囲に振り回されず、自分で判断する姿勢」を持っていたからでしょう。「周りの人がみんな2つ買っているから自分も2つ」という考えではなく、あくまでも「自分の納得できるお金の使い方」を追及したのです。

 資産運用の場面でも「投資する商品について知ること」「自分で判断すること」はとても大事です。そのためには、金融商品について勉強し、理解してから投資するという姿勢が大切。
 もちろん、理解するには時間がかかります。藤市が茄子について詳しく知るには、旬の時期とそうでない時期を、何度も経験してきたから。それには、数年といった時間がかかったかもしれません。しかし、1年あたりの進歩は少しずつでも、茄子の観察を続けていくことで理解が深まったのではないでしょうか?

 

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河野 富有

河野 富有

フリーランスライター

大阪市立大学大学院理学研究科修了(学位:修士(理学))。2014年10月現在、放送大学選科履修生。危険物取扱者、医療情報技師、メンタルヘルスマネジメント検定(II種)をはじめ10以上の資格を保有。

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