Bizコンパス

マーケティングの「今」
2019.09.17

デジタルシフトで価値を創り「お金を借りる」の先へ

新生フィナンシャル株式会社 執行役員 戦略推進本部長 兼 チーフマーケティングオフィサー 辻本 慎二 氏

 スマホだけで申し込みから借り入れまで完結するデジタル時代のコンシューマーファイナンス「レイクALSA」ブランドを展開する新生フィナンシャルのCMO辻本氏に話を伺った。

 

「お金を借りる」という枠組みに収まらないサービスへ

―― 金融市場でもデジタルシフトが進んでいますが、貴社では、どのようなマーケティング戦略をお考えですか

 まず、私のポジションから説明させていただきます。現在、新生フィナンシャルのマーケティング担当と新生銀行のコンシューマーファイナンス部長を兼務しておりますので、マーケティング戦略については、その立場からお話をさせていただきます。

 最近、消費者の情報接触はスマートフォンにシフトし、必要なときに必要なものを手に入れる消費行動に変わってきました。コンシューマーファイナンスでいえば、「前もってお金を借りておく」行動から「必要なお金を都度手に入れる」行動に変わりつつあります。従来のサービス提供に加えて、そういう大きな流れの変化にフィットするデジタルサービスを開発して提供することが、私たちのマーケティング戦略の根幹となります。

―― 「レイクALSA」のデジタル戦略について、ご紹介いただけますか

「レイクALSA」は、ご利用されるお客さま自らが、より主体的にデジタルチャネルにシフトしたくなるような価値を提供するブランドとなるべくビジネスを推進しています。情報接触もデジタルコンテンツにシフトしていますし、ローンに申し込むと最短15秒で審査結果が表示され、必要な契約手続きに進むことができます。その後の契約手続きも、来店や郵送での手続きもなくスマートフォンだけで完結し、最短60分で融資を実行することが可能です。

―― 審査結果が最短15秒、60分で融資完了とは、相当速いですね

「レイクALSA」でご契約されるお客さまのうち、6割から7割の方が当日にお金を借りる傾向がありますので、スピーディーな与信が案内できるバックボーンを構築して、そうしたニーズにお応えするべく取り組んでいます。

―― ほかに顧客から選ばれる戦略はありますか

 私たちのローンをご利用いただくお客さまには本来、次の給料日までの「つなぎ資金」を借りたいというニーズが相応にあり、小口資金の借り入れを支援する商品をラインナップしてきました。一方で、最近では「お金を借りる」のとは別に「給料の前借り」ニーズを事業化する動きが出てきているほか、生活費の足りない金額をプリペイドカードにチャージして後から決済するようなサービスも出てきました。つまり、「お金の手に入れ方」そのものが変わりつつあるのです。

 これに対応するには、従来の「お金を借りる」サービスよりも大きな枠組みをつくり、お客さまが必要とするタイミングで必要な資金を供給できる金融サービスを目指さなければいけないと考えています。

―― 実現するための課題は何ですか

 私たち自身が世の中の流れに合わせて、これまで築いてきたものを壊してでも形を変えていく判断が必要になっているということです。私たちも長くビジネスを展開してきており、過去の成功モデルを持っていますが、それがこれからも通用するとは限りません。良い部分は残しつつ、障壁となるものは壊してでも新しいものを生み出す。それがマーケティングの肝だと思っています。

 

価値共創で新たなサービスを生むFinance as a Service

―― 中期経営戦略で掲げた「Finance as a Service(FaaS)」について教えてください

 私たちは、銀行グループとして多様なファイナンス機能を持っています。たとえば、お金を貸す事業でいえば、与信や保証、債権回収などの機能がこれにあたります。これらの機能を必要とするパートナーに提供し、価値共創することで新たな金融サービスを生み出すプラットフォームとなるのが「Finance as a Service」です。

 ひとつ具体的な事例をご紹介しましょう。… 続きを読む… 続きを読む

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辻本 慎二(つじもと しんじ)
1970年生まれ。三重県出身。株式会社レイク(現 新生フィナンシャル株式会社)入社。貸金事業のプロジェクトマネジメントやマーケティングの経験を経て、2015年新生フィナンシャル執行役員営業本部長、2016年新生銀行コンシューマーファイナンス部長、2018年新生フィナンシャル執行役員営業本部長 兼 CMOを歴任し、2019年新生フィナンシャル執行役員戦略推進本部長 兼 CMOに就任、以降現職。

◎情報収集方法
多くの方が読まれる情報と変わりません。ただし、すべての情報を追いかけることは物理的に無理なので、必要かつ興味のある情報を取捨選択して深堀するようにしています。
◎スキルアップ
マネジメント/リーダーシップに関する本を読む。本だけではなく、なるべく多くの人から経験豊富な話を聞くようにしています。

新生フィナンシャル株式会社について
■ 事業内容 パーソナルローン、信用保証、そのほか
■ 設立年月 1994年10月
■ 本社所在地 東京都千代田区外神田三丁目12番8号
■ 資本金 1億円
■ 従業員数 1,395名 (2019/3/31 時点)
■ 業種 金融
■ ホームページ

http://shinseifinancial.co.jp/

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