「サービス先端企業」として先進テクノロジーを取り込むとともに、アジア戦略を推進するクレディセゾンの成長戦略を常務取締役の水野氏に伺った。

 

「これまでの強み」に「新たな強み」をプラスする“+Shift”

―― ファイナンス業界における市場環境の変化について教えてください

 一番の変化は、銀行や当社のようなノンバンクが主導してきたファイナンス、決済市場に、LINEやヤフーなどの異業種が参入してきたことですね。また、海外、特に新興国では、銀行口座を持たないことを前提にしたファイナンス業態が急速に広がり、その波が日本にも押し寄せています。

―― 変化する市場を勝ち抜くために、どのような戦略をお考えですか

 ノンバンクの強みを活かし、トラディショナルな融資とは異なる自由度の高いファイナンス事業を展開していきます。それに加え、これまで30年以上カードビジネスで培ってきた顧客基盤を活用して、新たな強みをつくっていきたいと考えています。

―― 「+Shift」というキーワードを掲げた意図を教えてください

 当社は、長年クレジットカードを主体にビジネスを展開してきましたが、2007年の貸金業法改正以降、マルチプルな事業構造を目指して新たなビジネスの芽を育ててきました。2018年度は、そのビジョンをさらに加速させ、カード事業に依存しないビジネスを模索するべく、改めて「+Shift」というキーワードを掲げました。この言葉には「これまでの強み」に「新たな強み」をプラスするという意味が込められています。

 グループが保有する3,700万人のカード会員基盤という「これまでの強み」をビッグデータとして活用するとともに、スマホの出現で変化したコミュニケーション手段を活かす「新しい強み」をプラスして、ビジネスをリモデリングすることを目指します。

 

キャッシュレス時代に向けてベンチャーとのアライアンスを推進

―― モバイルペイメントに関する戦略を教えていただけますか

 日本の決済手段は、クレジットカードやデビットカード、IC付きカード、非接触型決済ツールが大きなウエイトを占めていますが、近年では中国での「Alipay」や「WeChat Pay」の急拡大に加え、国内でもQRコード決済のプレーヤーが急速に存在感を増しています。このように多種多様な決済ツールが混在する状況は、今後分散化が進み、いくつかの固まりになると思いますが、どこが主導権を握るか予想できません。もしかしたら主導権なんて生まれないのかもしれません。

 そのような状況を見越したうえで、我々はモバイルペイメント分野でスマホ決済のCoiney、生体認証決済のLiquid、QRコード決済のOrigamiなど多くのベンチャーと協業、出資するなどして、次世代決済プラットフォームの構築を進めています。

―― 日本でもキャッシュレス化の流れは加速していくのでしょうね

 もちろんキャッシュレス化の流れは止まらないと思います。その流れを進める上で、最大のライバルは現金だと思っています。日本にはいつでもどこでも現金を入手できるATMというインフラが整備されていますから、我々はそこを切り崩すために、小売の提携先とともにキャッシュレス化を進めていきたいと考えています。

 

グループ社員が歌い踊る「東池袋52」が話題に

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水野 克己(みずの かつみ)
1992年、クレディセゾン入社。セゾンカード部長、UCカード部長、ソリューション二部長、営業企画部長(兼)商品・サービス開発グループ部長を経て、2013年に取締役 営業企画部担当(兼)海外事業部長(兼)海外戦略部長に就任。2016年に常務取締役に就任し、2018年3月より現職。
◎情報収集方法の手段
国内は、IT系ファンドの人材との交流から情報を得ることが多い。海外は、現地の金融やベンチャーと複数会って話すことで生の情報を入手
◎スキルアップのために心掛けていること
さまざまな業界の先輩経営者との交流

株式会社クレディセゾンについて
■ 事業内容クレジットサービス・リース・ファイナンス・不動産関連ほか
■ 設立年月1951年5月1日
■ 本社所在地東京都豊島区東池袋3-1-1 サンシャイン60・52F
■ 従業員数3,297名
■ 業種金融
■ ホームページ

https://www.saisoncard.co.jp/

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