2018.08.09 Thu

グループ初のCIOがサンデンのデジタル化を加速する

サンデンホールディングス株式会社 執行役員 IT本部長 辻 裕里 氏

 23カ国・地域、54拠点でビジネスを展開するサンデンホールディングス株式会社。同グループ初のCIOに就任した辻裕里氏がデジタルイノベーション戦略の課題と展望を語る

 

グループ初のCIOとしてグローバルなデジタルイノベーションを推進

―― 2015年4月に持株会社体制へ移行しましたがIT部門の役割は変わりましたか

 従来のIT部門は、生産管理部門の中に存在していましたが、ホールディングス化のタイミングで独立したIT本部が組織され、私がグループ初のCIOに就任することになりました。

―― 現在、注力されているITの取り組みを教えてください

 CIOとして、最初に取り組んだのは「サンデン・デジタル・イノベーション」のキックオフ宣言です。その青写真として、縦軸の上側に攻め、下側に基盤、横軸の右側に売上拡大、左側に費用低減というグラフを描き、ITを使ってこのすべての軸において動きを加速すると宣言しました。現在、グラフの左下の間接業務と、右下のセキュリティ/インフラについては改革が進んでいますが、右上のIoTビジネスや、左上のIndustry 4.0、スマート工場などの“攻めのIT”は、これからさらに注力しなければならない領域です。

 サンデングループは、分社化するまでは事業が違っても足並みを揃えて進んできましたが、今後は、それではやっていけません。たとえば、自動車機器事業はIndustry 4.0の先進国ドイツに追従できなければいけませんし、強いモノづくりを支えるスマート工場も早急に実現しなければなりません。

 一方の流通システム事業も、ほとんどの冷凍・冷蔵ショーケース、自動販売機がコネクティッドデバイス化している中で、モノづくりよりサービス開発のためにITが必要となっています。

 社内システムは、会計が全社SAPベースのグローバルシステムに統合されましたが、さらなるコスト低減と業務品質向上のため、クラウドへの移行を進めています。それと同時にSCMや生産管理の基盤も事業毎にグローバルで統一する予定です。

―― 生産管理やSCMの仕組みを統一するのは、相当な力技が必要ではないですか

 今までは自社工場が回ることだけを考え、各拠点で個別最適化されたシステムを入れていたので、全体最適化は相当大変ですね。その実現に向けて、各国の現法にパソコンが何台あるか、Windowsのバージョンは何か、何のパッケージを使っているか、IT人材のスキルはどうか等、すべて可視化する「ITの横串調査」に取り組んできました。

 この調査の結果、人事用、工場管理用、物流用など、好き勝手にシステムが導入され、運用もデータ活用もままならない事態であることが明らかになりました。これをグローバルなSAPベースのシステムに統合するべく、SAP社のお膝元であるドイツからプロジェクトを進めていこうと準備しているところです。

 

理想は、いつでも引っ越せるクラウド

―― “攻めのIT”の開発は、どういう方向で進めていくのですか

 全部自前でやる気はありません。… 続きを読む

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辻 裕里(つじ ゆり)
1991年に群馬大学を卒業後、日本IBMに入社。1996年から副業で「女性による女性のための女性の会社」を起業。2002年にサンデンに移り、2010年にグローバル会計システムのPMOを務める。2014年、グローバル総務部長。2016年6月より現職。

◎情報収集方法
異業種とのCIOコミュニティへの参加。社内で定例開催される戦略会議から得た情報に優先順位を付けて調べていく
◎コミュニケーション方法
部下とは目線を揃えて対等に付き合う。女性の後輩に道を拓くためにも“女性らしさ”を大事にする
◎ストレス解消法
特になし

サンデンホールディングス株式会社について
■ 事業内容自動車機器事業、流通システム事業
■ 設立年月1943年(昭和18年)7月30日
■ 本社所在地群馬県伊勢崎市寿町20
■ 資本金11,037百万円
■ 従業員数13,398名(グローバル連結)
■ 業種製造業
■ ホームページ

https://www.sanden.co.jp/

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