戦前まで手洗いが一般的だった日本の洗濯を取り巻く環境は、洋服の浸透、洗濯機の普及などによって戦後に大きく変化します。そうした変化に呼応するかのように、1956(昭和31)年に誕生したのがライオン株式会社の合成洗剤「トップ」です。

 化学繊維の進化、ドラム式洗濯機の登場などにより、今もなお目まぐるしく変化する洗濯環境を、「トップ」は常に時代の一歩先ゆく提案をしながら支え続けてきました。その挑戦の歩みをたどりながらロングセラーの秘密を探っていきます。

 

洗濯環境の変化とともに生まれた「トップ」

 トップが生まれた1950年代は、日本の洗濯を取り巻く環境に大きな変化が訪れた時期です。
電気洗濯機が一般家庭に普及しはじめたことにより、それまでの石けんと洗濯板を使った手洗いから、洗濯の方法が変化しました。また、スカートといった洋服が紹介されブームになるなど服装の西洋化が進み、衣類に使用される繊維も毛・絹・化学繊維・木綿など多様化していきます。

 こうした洗濯環境の変化を踏まえ、洗濯機に入れても溶けやすく、繊維を選ばない合成洗剤として「トップ」は1956(昭和31)年に誕生しました。

 その後、電気洗濯機の普及が進むと合成洗剤のニーズも高まり、木綿や化繊に対応したさらに洗浄力の高い「ニュートップ」を1960(昭和35)年に発売します。

 そして、1962(昭和37)年には、電気洗濯機からあふれ出るばかりの「泡」に注目し、洗っているときはパッと泡立ち、すすぎの時はスーッと泡が消える洗剤を開発。「ハイトップ」として発売し、ヒットします。

 

 さらに1960年代の後半、ライオンでは、洗剤中の洗浄成分の工夫を行い、廃水中に残らない生分解性の高い洗浄成分を独自に開発し、製品化します。

 

“酵素パワー”で衣料用洗剤のNo.1に

 1963(昭和38)年に合成洗剤が石けんの生産量を上回り、70年代に入ると90%の家庭で洗濯機が利用されるようになります。暮らしが便利になる陰で、湖沼では窒素化合物やリンなどの濃度があがり、富栄養化による水質汚染という新たな問題が発生していました。

 当時の合成洗剤は、その原因のひとつだったリンを使用しており、洗浄力を高める補助剤として重要な役割を果たしていました。合成洗剤を手がけるメーカーにとっては、「リンを低減しながら洗浄力は低下させない技術」の開発が重要なミッションとなっていました。

 その開発は多難を極め、… 続きを読む

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ライオン株式会社について
■ 事業内容ハミガキ、ハブラシ、石けん、洗剤、ヘアケア・スキンケア製品、クッキング用品、薬品、海外現地会社への輸出
■ 設立年月1918年(大正7年)09月
■ 本社所在地〒130-8644 東京都墨田区本所1-3-7
■ 資本金344億3,372万円(平成28年12月31日現在)
■ ホームページ

http://www.lion.co.jp

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