1979(昭和54)年、テレビ放送を開始した「機動戦士ガンダム」シリーズは、いまも新作がリリースされる人気アニメコンテンツです。1980(昭和55)年、作品の世界観を忠実に再現したプラモデル「ガンプラ」は発売と同時に社会現象を起こす大ヒットになりました。もちろん、アニメ作品に合わせて新商品も登場し続けており、現在、「リアルシリーズ」と呼ばれる商品は約1,500種類、累計売上は4億5千万個を突破しています。

 当時の子どもたちが大人になり、いまや親子で楽しむファンもいるロングセラー商品の背景には、ファンと開発者の熱い絆がありました。

 

プラモデルは大人のもの、子どものもの?

 世界で最初にプラモデルが発売されたのは1936(昭和11)年、イギリス。今年でちょうど80年になります。注目の新素材だったプラスチックで模型をつくる技術は、当時のイギリス軍の軍用技術を応用したものでした。

 1950年代に入るとアメリカのメーカーもプラモデルの生産を始め、ブームはじわじわと世界に広がっていきます。これらのプラモデルは実在する航空機、戦艦、戦車、自動車などをモチーフとしているため1/72、1/48といった統一された縮尺を採用。これを一般的にスケールモデルと呼びます。

 1958(昭和33)年、日本でも国産初プラモデル「原子力潜水艦ノーチラス号」の発売を契機に続々と模型メーカーが市場に参入。ミリタリー中心だったスケールモデルのプラモデルは、その後のスーパーカーブームなどで急速に市場を拡大していきます。

 さらに1960年代後半、当時の人気テレビ番組「サンダーバード」のプラモデルが登場し、大ヒットになったことで架空のロボットや怪獣をもとにしたキャラクターモデルと呼ばれる新ジャンルを確立。玩具メーカーなどの参入により、こちらも数々のヒット商品が生まれてきます。

 スケールモデルとキャラクターモデル、2つのもっとも大きな違いは「統一された縮尺の有無」です。統一の縮尺に基づくスケールモデルは、リアリティを追求する子どもから大人まで多くのファンを獲得していました。

 一方で特撮やアニメに登場する架空のキャラクターをモチーフにするキャラクターモデルでは、縮尺の統一を図るのは困難なため、リアリティよりも玩具性を追求。ゼンマイ、モーターなどの動力を組み込んだ商品が多く、どちらかといえば小さな子どもを中心にヒットしていました。

 このため、プラモデルの世界では長きにわたり「大人にも楽しめるスケールモデル」「ちびっ子が遊ぶキャラクターモデル」という図式が定着していました。当時、プラモデル市場に参入していたバンダイの主力商品はロボットもののキャラクターモデル。マジンガーZ、ゲッターロボといったテレビアニメと連動したヒット商品を世に送り出していました。

 やがて、そんなバンダイに大きな転機が訪れます。子ども向けだったあるアニメ作品に、多くの大人たちがハマるというブレイクスルーが起きたのです。

 

スケールキャラタクターモデルの誕生へ

 いまやアニメ作品は、クールジャパンに欠かせない基幹コンテンツのひとつ。大人でも楽しめるストーリー性の高い作品も数多く存在します。そんな大人がハマったアニメの草分けが、1974(昭和49)年に放映をスタートした… 続きを読む

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株式会社バンダイについて
■ 事業内容玩具、カプセルトイ、プラモデル、カード、食玩・菓子・食品、アパレル、生活用品の開発・製造
■ 設立年月1950(昭和25)年7月5日
■ 本社所在地〒111-8081 東京都台東区駒形1-4-8
■ 資本金100億円
■ ホームページ

http://www.bandai.co.jp/

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