総合光学機器メーカーとして誕生し、来年で創立100周年を迎える株式会社ニコン。ニコンは、光利用技術と精密の技術をベースに、半導体露光装置、FPD露光装置や顕微鏡などの産業製品でも独自の製品を提供しています。光と精密を軸に事業展開するニコンの原動力を探ります。

 

総合光学機器メーカーとして誕生、戦後に事業を多角化

 ニコンの前身・日本光学工業株式会社は1917(大正6)年、双眼鏡や顕微鏡などの光学機器をガラス素材から一貫製造する、総合光学機器メーカーとして誕生しました。同社はドイツから光学や精密機械の技術者を呼び寄せ、ノウハウを蓄積していきました。

 その成果のひとつが、「NIKKOR(ニッコール)」レンズで、1932(昭和7)年に誕生し、現在では一眼レフカメラ用交換レンズのブランドとして、世界中で親しまれています。

 ニッコールレンズは、まず航空機から地形を撮影するための航空写真用レンズとして発売されました。正確に地形を撮影するためには、高い解像力と正確な描写性能が必要で、当時の最先端技術と極めて高度な製作、調整技術により完成しました。

 その後、一般的なカメラに装着する民生用のレンズも手がけ、世界的なブランドとして発展します。

 きっかけは、1948年に発売された「Nikkor 8.5cm f/2」というレンズでした。米『LIFE』誌の専属カメラマンだったデビッド・ダグラス・ダンカン氏が、このレンズの描写の素晴らしさに驚き、朝鮮戦争(1950~1953年)などの取材でニッコールレンズを使用しました。性能だけでなく、著名な報道カメラマンが愛用したということで、ニッコールのブランドが一躍世界に広まることとなりました。世界的なブランドとなったニッコールのレンズ交換式カメラ用の累計生産本数は、2015年7月現在に9,500万本を達成しています。

 

報道カメラマンの御用達となった「ニコンF」

 ニコンは終戦をきっかけに民生用光学機器の生産に転換し、双眼鏡やカメラ、顕微鏡のほか、測量機、測定機、メガネレンズなど幅広い事業分野に進出します。

 1948(昭和23)年に、ニコンは同社初となるカメラ「ニコンI型」を発売します。その11年後の1959(昭和34)年には、ニコン初の一眼レフカメラ「ニコンF」を発売しました。

 「ニコンF」は、報道カメラマンから大きな支持を得ました。信頼性の高い機械構造、頑丈なボディ、充実したレンズやアクセサリー群などがプロから評価されたのです。

 それまでの報道用カメラといえば、… 続きを読む

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株式会社ニコンについて
■ 事業内容光学機械器具の製造、ならびに販売
■ 設立年月1917(大正6)年7月25日
■ 本社所在地〒108-6290 東京都港区港南2−15—3 品川インターシティC棟
■ 資本金654億75百万円(2016年3月末現在)
■ 従業員数25,729名(2016年3月末現在)
■ ホームページ

http://www.nikon.co.jp/

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