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2015.12.02

日本初の成型ポテトチップス「チップスター」の挑戦

チップスター

 子どものおやつに、映画のお供に、お酒のおつまみにと、さまざまなシーンで大活躍。赤い円筒型のパッケージをまとい1976(昭和51)年に発売された「チップスター」は、パリッとした食感とさっぱりした飽きのこない味わいで現在も幅広い世代に親しまれています。

 ポテトチップスと言えば、生のじゃがいもをスライスして油で揚げるタイプが一般的ですが、「チップスター」は日本初の成型ポテトチップスとして独自の道を歩み、その市場を切り拓いてきました。来年40周年を迎える「チップスター」。子どもから大人まで、時を超えてずっと愛され続ける理由はどこにあるのでしょうか。

 

あえて「成型ポテトチップス」に挑んだ理由

 ポテトチップスが誕生したのは、一説によると1853年、アメリカ・ニューヨーク州のとあるホテルのレストランでのこと。「フライドポテトが厚すぎる」と客から何度もクレームをつけられたコックが、「これなら文句ないだろう」とばかりに極限まで薄くスライスして油で揚げて出したところ、そのおいしさが評判となり、アメリカ中に広まったと言われています。
 日本でポテトチップスが食べられるようになるのは第二次大戦後。当時はアメリカ兵が行くバーなどでしか食べられない高級なおつまみでした。

 そんなポテトチップスが庶民のお菓子として普及していくのは、1960年代になってから。この頃アメリカでは「成型ポテトチップス」が誕生します。スライスした生のじゃがいもを揚げるのではなく、じゃがいもをフレーク状にして、調味料を加えカタチを整えて揚げる新製法と、従来の袋タイプではなく円筒型の容器に入れるスタイリッシュな形状が話題を集め、やがてその人気は世界へと広がっていきます。

 これに注目したのが、ヤマザキナビスコでした。この時、新たな戦略としてビスケットに匹敵するスナック菓子をつくろうと、さまざまな可能性を模索していました。1970年代当時、日本のメーカーがつくるポテトチップスは、スライスして油で揚げるタイプが全盛。円筒型の容器に入れる成型ポテトチップスを独自で手掛ける日本のメーカーはまだ存在していませんでした。

 また、今でこそスナック菓子はシーズンごとに新商品が続々と登場し、棚からあふれそうなほどたくさんの種類がありますが、当時はスナック菓子の種類も少ない時代でした。日本生まれの成型ポテトチップスを登場させることができれば、他社のポテトチップスとの差別化が図れるだけでなく、新しいスナック菓子としても注目を集めることができ、インパクトは抜群です。

 こうしてヤマザキナビスコは、日本初の成型ポテトチップス「チップスター」の開発をスタートさせました。… 続きを読む… 続きを読む

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ヤマザキナビスコ株式会社について
■ 事業内容 ビスケット、スナック、キャンディ、チョコレ ート等の菓子製造販売
■ 設立年月 1970(昭和45)年10月
■ 本社所在地 〒163-0540 東京都新宿区西新宿1-26-2 新宿野村ビル40F
■ 資本金 16億円
■ 従業員数 1,000名
■ ホームページ

http://www.yamazaki-nabisco.co.jp/

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