山の木々が赤や黄色に染まる紅葉の季節になりました。湯けむりの向こうに見える紅葉を眺めながら、のんびり湯舟に浸かる旅に思いをはせつつも、慌ただしい毎日に押し流され、遠くの温泉に足を運ぶ暇もない方も多いのではないでしょうか。

 そんな方々にやすらぎを与えてくれるのが温泉系入浴剤です。温泉に近い成分が配合されており、自宅のお風呂で温泉気分を味わえるアイテムですが、この温泉系入浴剤というジャンルを新たに切り開いたのが、版画のパッケージでおなじみの薬用入浴剤「旅の宿」(医薬部外品/クラシエホームプロダクツ)。今回は1986(昭和61)年に発売され、今も愛され続ける「旅の宿」のロングセラーの秘密に迫ります。

 

温泉ブームをヒントに新しい入浴剤を開発

 「旅の宿」の開発のきっかけは、1980年代に起こった温泉ブーム。地域起こしの一環として全国各地に新しい温泉が生まれ、湯治客しか行かないような山奥の温泉地にまで若い女性たちが行くようになるなど、日本各地の“温泉”に注目が集まりました。そこに目をつけたのが、クラシエホームプロダクツ(当時はカネボウホームプロダクツ)。当時は、炭酸ガスなどで温浴効果を高める入浴剤は人気を集めていましたが、温泉の気分を楽しむための入浴剤はまだ市場にありませんでした。

 また、開発者の一人が、市場調査でいつも訪れるバラエティショップでも「温泉の素」や「湯の花」などの商品が話題を集めていることを知り、ニーズを実感します。温泉地や専門店でしか手に入らない商品ではなく、普通のお店で手軽に買える入浴剤で温泉地へ旅した気分が味わえるような商品を目指し、薬用入浴剤「旅の宿」の開発がはじまりました。

 開発に当たって大切にしたのは、… 続きを読む

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クラシエホームプロダクツ株式会社について
■ 事業内容トイレタリー商品(石鹸、洗剤、シャンプー、リンス等)、基礎化粧品、その他日用雑貨の製造、販売、輸出入
■ 設立年月1971(昭和46)年
■ 本社所在地東京都港区海岸3丁目20番20号
■ 資本金3,620百万円
■ 従業員数436名(2015年9月末現在)
■ ホームページ

http://www.kracie.co.jp/

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