「画像処理検査装置」と呼ばれるものをご存知だろうか。ものづくりのさまざまな現場において必須となる、製造物の傷や汚れ、異物などの外観上の欠陥を検出するための装置のことだ。 “人間の目”の代わりを果たすものとして、国内外を問わず製造業の多くの現場で普及が加速している。

 この画像処理検査装置の分野で業界をリードするのが、ヴィスコ・テクノロジーズ株式会社だ。2003年の創業以来、企業理念に“画像一筋”を掲げながら、FA(ファクトリーオートメーション・工場における生産工程の自動化)用の画像処理検査装置の開発・販売を行なっている。その高い検査精度は国内外のさまざまな領域のメーカーから高く評価され、現在は東京の本社に加え、連結子会社3社を中国、タイ、米国に展開させている。

 “画像一筋”の姿勢は社名からも読み取れる。「ヴィスコ・テクノロジーズ」には「画像技術(Vision)を使って,さまざまな業種のユーザーや技術・機器と協調(Collaborate)することで、新しい価値を創造する技術者集団(Technologies)」という意味が込められている。

 いまや国内外から評価される同社の画像処理技術が生み出されるまでに、どのような道のりがあったのか。代表取締役社長 足立秀之に話を聞いた。

 

「ガンダム」に心を奪われたサブカル少年

 足立は1965年に京都府内で生まれる。アニメ、マンガ、映画、ゲームなどサブカル全般にのめり込んだ少年時代を過ごした。高校時代は世間に流通し始めたばかりのパーソナルコンピュータを手に入れ、プログラミングに夢中になった。

 大阪電気通信大学工学部精密工学科に進学すると、当時はまだ貴重だったロボットシミュレーション用の3D-CADを用いて、人気アニメ『機動戦士ガンダム』に登場するロボットを描いた。いつしか「ガンダム」を造りたいとまで考えるようになったが、当時の技術力ではガンダム製造が不可能であることは明らかだった。そこで足立は、ガンダムの“目”に注目した。

「ガンダムの“目”は、人間の目の役割を最新テクノロジーで実現したもの。ガンダムは造れなくとも“目”だけなら造れるかも…と心を弾ませたことが、実は今の仕事の原点になっているのです」

 大学の卒業研究では、産業用ロボットに関する研究を行った。一見インドア一色の青春時代を過ごしたのかと思いきや、バイクに乗って日本中を旅する開放的な時間も過ごした。

 

思いを形にするためには会社を興すしかない

 大学を卒業した1989年、足立は画像処理用のDSP(デジタルシグナルプロセッサ)を作る外資系のアナログ・デバイセズ社に入社する。同社で数年間務めるが、やがて当初目指していた方向性とは違っていると感じるようになり、退社。1996年、画像処理関連の大手企業である米コグネックスに転職する。コグネックスでは、同社製品を使ったソリューションをユーザーに紹介する仕事に従事し、実績を重ねていった。

 だが働き続けるうちに、足立の頭の中には、画像処理検査装置に関するさまざまなアイデアが生まれていた。… 続きを読む

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足立 秀之(あだち ひでゆき)
昭和40年、京都府に生まれる。平成元年に大阪電気通信大学 工学部を卒業後、同年4月 にアナログ・デバイセスズ株式会社に入社。平成4年9月、松貿電子部品株式会社(現PTT株式会社)に入社後、平成8年1月、コグネックス株式会社に入社。平成11年9月、同社技術応用部マネージャーに就任。その後、平成15年8月 にヴィスコ・テクノロジーズ株式会社を設立、代表取締役社長に就任(現任)。平成29年12月、 東京証券取引所JASDAQ(スタンダード)に株式を上場。現在に至る。

ヴィスコ・テクノロジーズ株式会社について
■ 事業内容画像処理システムの開発・製造・販売・保守サービス
■ 設立年月平成15年8月26日
■ 本社所在地東京都港区海岸一丁目 11 番1号ニューピア竹芝ノースタワー
■ 資本金446,940 千円(平成 30 年 3 月 31 日現在)
■ 従業員数103名(グループ合計・平成30年3月31日現在)
■ 業種電気機器
■ ホームページ

https://www.visco-tech.com/

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