2018.08.21 Tue

転職サイト「Green」創始者が思い描く理想の組織とは

株式会社アトラエ 代表取締役CEO 新居 佳英 氏

 IT/Web業界に強い求人メディア「Green」を中心に、AIを活用して利用者に適したビジネスパーソンをレコメンドするアプリ「yenta(イェンタ)」、組織改善プラットフォーム「wevox(ウィーボックス)」の3事業を展開する企業が、株式会社アトラエである。同社は2011年以降、右肩上がりで業績を伸ばしており、2018年6月には東証一部への市場変更を果たしている。

 アトラエの創設者であり、代表取締役 CEOを務める新居佳英は、こうした「人材」に着目したサービスを展開する背景として、今の日本では“戦略的人材配置”ができていないことを挙げる。

 「日本企業の最大の課題は、人材の流動性が低いことにあると考えています。アメリカでは、ウォールストリートの大企業にいた人が、シリコンバレーに移ってベンチャーを起業、または転職するなどで成功しているケースがあまたあります。それに対し日本の場合は、いい大学を出て大企業に就職すると、そのまま最後まで務めてしまう人が非常に多いです。しかし本来であれば、そうした優秀な人材こそ、ベンチャーを目指すべきなのです」

 新居が「人材」を扱うビジネスで成功を収める背景には、何があるのだろうか。彼の過去・現在・未来について話を聞いた。

 

なぜ入社3年目で社長になれたのか?

 1974年、東京・世田谷で生まれた新居は、小学校から高校卒業まで、国立市にある名門・桐朋学園に通った。小中校を通じてサッカー部に所属し、一貫して攻めに関わるポジションを担当した。学業にも励み、文武両道を地で行く少年時代を送った。

「サッカーを通じて、チームで何かを成し遂げるやりがいや達成感を学んだと言えるかもしれません。うまくいかないときにも、1人1人にかかる負荷を何分の1にでき、逆にうまくいった場合には感動が何倍にもなります。そうした良さがチームスポーツにはあると思います」

 “チームで成し遂げること”の面白さに目覚めた新居は、サッカー選手ではなく、経営者になることを目指すようになった。上智大学理工学部に進学すると、早速、友人5、6人とイベントサークル事業を立ち上げた。

「アルバイトするよりはだいぶ効率よく稼げましたね。自ら、イベントにスポンサーを募るなど積極的な取り組みをしました」

 卒業が近くなると、同級生のほとんどが、錚々たる大企業へと就職していった。将来的に起業することを前提に就職先を考えた新居は、インテリジェンス(現・パーソルキャリア)に入社することを決める。今でこそ総合人材サービス会社として知られる同社であるが、当時はまだ草創期で、事業規模もさほど大きくはなかった。

「インテリジェンスには、経営者に頻繁に会うことができ、力があれば新卒一年目であっても大きな仕事を任せてもらえる環境がありました。起業に必要な要素を学ぶことができ、起業までの最短ルートを歩めると判断し、入社しました。大学の同じ学科でも極めて稀なケースでしたが、友人たちと同じように大企業に就職したのでは、ちょっとした仕事を任せてもらうことですら、10年はかかったはずです」

 このような気概を持って入社した新居は、新人ながらみるみる頭角を表していき、入社3年目・26歳にして、グループ子会社の代表取締役社長を任されるまでになる。ここでは、35人ほどの部下を率いて、成長領域の企業に向けたコンサルやヘッドハント、人材紹介などの採用支援サービスを展開した。

「インテリジェンスでは、ベンチャー気質とはどのようなものかということや、アントレプレナーシップ(起業家精神)、ならびにビジネスパーソンとしての基礎を鍛えてもらいました。先のことしか興味がなく、『人生かけてやろうぜ』という感じで、とにかくがむしゃらにやっていました。いま振り返れば、少し暑苦しかったかもしれませんね(笑)」

 

新居が思い描く“理想のチーム”とは

 インテリジェンスにおいて、起業家となるために必要な事柄を学んだ新居は、しばらく働いた後に同社を退社。2003年10月、アトラエを設立し、少年時代から抱いていた起業という念願を果たした。インテリジェンスで多くの部下を率いていた状況から一転し、たった2人での起業だった。

 もともと新居の胸には、「こういう組織を作りたい」という理想像があった。それは、… 続きを読む

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新居 佳英(あらい よしひで)
1998年上智大学理工学部を卒業後、草創期のインテリジェンスに入社。アントレプレナーシップならびにビジネスパーソンとしての基礎を学ぶ。入社3年目には26歳にしてグループ子会社の代表取締役に就任。その後2003年にアトラエを設立し独立。2018年6月には東証一部に上場を果たす。現在は、求人メディア「Green」、組織改善プラットフォーム「wevox」、ビジネスマッチングアプリ「yenta」の3事業を展開。『世界中の人々を魅了する会社を創る』をビジョンに掲げ、全ての社員が誇りを持てる理想的な組織作りに創業以来こだわり続けている。

株式会社アトラエについて
■ 事業内容成功報酬型求人メディア『Green』、組織改善プラットフォーム『wevox』、完全審査制AIビジネスマッチングアプリ『yenta』の企画・開発・運営、新規事業の企画・開発
■ 設立年月2003年10月24日
■ 本社所在地東京都港区三田1-10-4 麻布十番日新ビル2F
■ 従業員数41人
■ ホームページ

https://atrae.co.jp/

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