
ベルギーの北中部にある人口5,000人ほどの小都市リルラール。見渡す限り田畑や牧場が広がる雄大な景色の中で生まれ育ったハンス・ブランケンは、幼少期の自分を“カントリーボーイ”だったと話す。両親は共働きで忙しく、姉と二人で過ごす時間が多かった。この小さな町で家族の愛情を受けて育ったブランケンは、その時期に人生における3つの指針を身に付けたという。
「1つ目は、何ごとにも一生懸命取り組むこと。2つ目は、謙虚であること。3つ目は、誰にでも敬意を持って接すること。今でも私はこの3つを大切にしながら日々を過ごしています」
1984年、地元のルーヴェン・カトリック大学 法学部へ進学。法学修士を修得後、同大学のビジネススクールを卒業し、経済学士を取得。金融業界に特段興味があったわけではなかったが、業界を問わず法務の仕事を探した結果、ブリュッセルのBACOB銀行へ就職が決まった。規模も小さく、環境が気に入って選んだ職場だったが、時代の波に翻弄され、予想もつかない進路へ進むことになる。
1990年代、ヨーロッパの景気は停滞が続き、その余波はベルギーにも襲いかかる。金融機関の統廃合が進み、BACOB銀行は1998年にArtesia銀行に統合され、さらに、2002年にヨーロッパ有数の金融グループDEXIA銀行に統合された。
銀行のキャリアを足掛かりとして、2006年にスイスの大手保険会社Winterthur保険へキャリアアップを果たす。新たな仕事に心を躍らせていた矢先に再び会社が買収され、世界No.1の保険ブランドAXAで働くこととなる。
「何度も企業統合を経験したことで、どのような変化が起きても、プラス思考で臨めば結果は必ずプラスになると学びました。それはどんな国であれ、どんな大陸であれ、どんな文化であれ、同じです」
顧客志向から顧客主導の経営へ
AXAでは、グローバル損害保険部門の人事担当ディレクターなどを経て、2011年からベルギーでダイレクト型自動車保険を提供するTouring Assurances/Touring VerzekeringenのCEOに就任。そして、2017年6月29日、アクサ損害保険株式会社 代表取締役社長兼CEOに就任する。日本法人のトップに立ったブランケンは、自身に与えられたミッションは、… 続きを読む
Hans Vranken(ハンス ブランケン)
ベルギー出身。ルーヴェン・カトリック大学にて法学修士号と経済学士号を取得。AXA入社以前は、ヨーロッパの金融機関で人事を担当。2007年にAXAへ入社し、グローバル損害保険部門の人事担当ディレクターなどを経て、2011年からベルギーでダイレクト型自動車保険を提供するTouring Assurances/Touring VerzekeringenのCEOに就任。2017年4月1日、アクサ損害保険株式会社 代表取締役副社長Deputy CEOに就任、同年6月29日、同 代表取締役社長兼CEOに就任。
アクサ損害保険株式会社について |
■ 事業内容 |
損害保険業 |
■ 設立年月 |
1998年6月 |
■ 本社所在地 |
東京都台東区寿2-1-13 偕楽ビル |
■ ホームページ |
https://www.axa-direct.co.jp |