2018.06.20 Wed

急成長の旅行会社を支える“2つのエンジン”

株式会社エボラブルアジア 代表取締役社長 吉村 英毅 氏

 旅行会社の店舗に足を運ぶことなく、航空券や宿泊施設が24時間オンラインで予約できる「OTA(Online Travel Agent)」が人気を博している。

 中でも今年話題になったOTAサイトが「エアトリ」だ。サービス自体は2016年から開始していたが、今年5月末にオンライン旅行事業を営む株式会社エボラブルアジアがDeNAトラベルの全株式を取得。6月より「DeNAトラベル」の名称をエアトリへ変更し、新たなスタートを切った。

 エボラブルアジアはもともとOTA事業を営む企業であり、国内航空券で“業界最大手”の取扱高を誇る。今回のエアトリの買収によって、年商取扱高は1,400億円を超える見込みである。

 同社はOTAに加えて、ベトナム人850名のITエンジニアを擁するITオフショア開発事業や、海外向けの訪日旅行事業、投資事業も行っている。だが、同社が誕生したのは2007年のこと。たった約10年の間に、なぜここまで事業を成長できたのだろうか。代表取締役社長を務める吉村英毅に、同社の歩みと急成長の秘訣を聞いた。

 

ビル・ゲイツに憧れ、阪神タイガースの缶コーヒーを売る学生

 吉村は1982年に大阪府で生まれた。幼少期から、事業を営む親の姿を見ながら育ち、中学生の頃に本格的に起業家を志す。

「元々本が好きで、さまざまな英雄の自伝を読んで、世の中に対して影響力のある人間になりたいと思っていました。とりわけ惹かれたのがビル・ゲイツです。自分でビジネスを起こして成功し、世界中に影響力を拡大していった彼に強いあこがれを抱き、起業を目指すようになりました」

 ハーバード大学在籍中に起業したゲイツ氏に習い、自身も名門・東京大学へと入学し、経済学部経営学科で経営管理と金融工学を専攻しながら、起業の機会をうかがっていた。

 そのタイミングは、大学3年生・20歳だった2003年に訪れた。この年、阪神タイガースが18年ぶりのリーグ優勝を遂げ、関西だけでなく全国にフィーバーが巻き起こった。「この盛り上がりは商売につながる」とピンときた吉村は、学生の身でありながら阪神タイガースとロイヤリティー契約を結び、先輩が営む会社で、缶コーヒーなど阪神に関連したグッズ販売を始めた。

 グッズ販売は成功したが、これはあくまでも当時の流行に乗っかったビジネスである。より将来性があり、継続的にできる事業は何かと考え、吉村は人材派遣やセールスプロモーションの事業を、在学中に立ち上げた。

 しかしその後、ビジネスをあっさりと旅行業に転換する。きっかけは、… 続きを読む

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吉村 英毅(よしむら ひでき)
1982年生まれ大阪府箕面市出身。東京大学 経済学部経営学科 卒業 経営管理と金融工学を専攻。大学在学中に株式会社Valcom(2009年10月株式会社エボラブルアジアに吸収合併)を創業。2007年 株式会社エボラブルアジアを共同創業し、当社代表取締役社長に就任。2016年東証マザーズ、2017年東証1部に上場。2018年 株式会社エアトリ(旧称 株式会社DeNAトラベル)代表取締役社長に就任。

株式会社エボラブルアジアについて
■ 事業内容オンライン旅行事業、訪日旅行事業、IT オフショア開発事業、投資事業
■ 設立年月2007年5月11日
■ 本社所在地東京都港区愛宕2-5-1 愛宕グリーンヒルズ MORIタワー19F
■ 従業員数連結:1375名 (株式会社エボラブルアジア:110名、株式会社エアトリ(旧 株式会社DeNAトラベル):284名)2018年6月現在
■ ホームページ

http://www.evolableasia.com/

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