2018.03.30 Fri

元トップ営業マンの社長が築いた「離職しない組織」とは

株式会社アイドマ・ホールディングス 代表取締役 三浦 陽平 氏

 日本には約260万社の企業が存在する。そのうち、自社に営業部門を持ち、新規開拓をしている企業は20万社程度。日本の中小企業の多くは、古くから続く業界構造のなかで下請けを担うことが多く、新規開拓をする必要がなかったからだ。

 しかし、これまでの成功モデルが崩れ、産業構造が大きく転換している今、あらゆる企業に営業力、新規開拓力が求められている。

 そのような時代に、顧客専属の営業チームを作り、最新テクノロジーを活用したツールで新規営業を支援、代行するビジネスモデルで、急成長を遂げている企業がある。株式会社アイドマ・ホールディングスだ。

 同社を率いる三浦陽平社長は、自身も営業マンとして現場で汗を流した経験を持つ。なぜ彼は、自らが営業マンとして活躍する道ではなく、日本企業の営業支援をする道に進んだのだろうか。

 

起業するためには営業か技術でトップになるべき

 三浦は広島県で生まれ、5歳で東京の東村山市に引っ越した。病弱だった幼少期は本が大好きで、特に『エルマーのぼうけん』がお気に入りだった。高校時代にはヤンチャな道に逸れもしたが、パイロットを目指す友人の影響で一年発起。猛勉強して大学に進学した。

 学部が法学部だったこともあり、弁護士を目指して勉強を始めた。しかし、体調を崩して断念。普通に就職を考えるようになったが、あまり乗り気はしなかった。

「これから日本は人口が減り、経済が急激に縮小していく。そんな厳しい社会で、自分は社員としてずっと働いていけるのか。就活に対して、将来に対して、ものすごく不安がありました」

 そんな三浦が、不安を払拭する手段として選んだのが起業だった。当時は東証マザーズができ、堀江貴文や三木谷浩史、藤田晋といった若手起業家が脚光を浴びていた時代だったことも影響した。しかし、ある起業家から「起業するなら営業か技術か、どちらかでトップになったほうがいい」とアドバイスを受け、まずは営業の世界で一番成長できる会社で働こうと、ある環境系ベンチャー企業に就職した。

 このベンチャー企業は、アメリカで普及しているリフォーム技術を使ったビジネスモデルを、フランチャイズとして広げる仕事だった。三浦はがむしゃらに働き、半年でナンバー1営業マンになった。

「経営者を相手に1,000万円近い高額商材を売る仕事で、これは成長できると思いました。毎日、2、3件の商談アポを入れ、空き時間には寸暇を惜しんで電話営業や飛び込み営業をしました」

 しかしその頃、外資系証券会社で働く同年代の知人が、自分の倍の時間も働いていたことを知り、ショックを受ける。

“俺はこの程度で満足していていいのか。起業するにはもっとハードに働かなくてはならないんじゃないか……”

 そう思った三浦は、転職を決意。今度は人材系コンサル会社で、新卒採用ソリューションの営業を始める。ここでも人の2倍働いたが、最初の3カ月はまったく売り上げられなかった。結果が出ない日が続き、悔し涙も流した。

「こんなに頑張っているのに、何で結果が出ないんだろうと悩み、色々と考えました。その結果、売りたい気持ちが強くて、いかに契約するかばかりを考えていた自分に気づきました。営業とは顧客の声を聞き、社会の課題を解決すること。お客様の立場になって、心からお客様の問題を解決しようという気持ちになれていませんでした」

 

アポの獲得以上に価値が高い情報がある

 三浦は2008年12月に念願の会社を設立した。最初は新卒学生を企業に紹介するビジネスを考えていたが、リーマンショックもあり、頓挫してしまった。改めてビジネスモデルの在り方を考えた結果、知人の社長から「社会的トレンドに沿い、マーケットが大きく、自分の強みを出せるビジネスをすべき」とアドバイスを受ける。

「今後、労働人口が減っていくので、間違いなくBPO(ビジネスプロセスの外注)市場は伸びる。営業に携わっている人は日本に300万人いて、年収400万円とすると、12兆円の労働市場がある。そして私の強みは、まったく抵抗なく電話営業ができること。この三つをかけあわせ、中小企業に特化した営業アウトソーシングをやろうと思いました」

 しかし、それでも結果は出なかった。最初は顧客の代わりに、ターゲットとする企業のアポイントをとる営業代行の仕事が多かったが、このビジネスで利益を上げるには、アポイントの質にまでこだわれない。その結果、契約に結びつかないアポが多く、顧客からのクレームもあった。なかなか継続案件にならず、三浦はまたもビジネスモデルを考え直すことになる。

 その時、ヒントになったのが、ある顧客からの厳しい一言だった。… 続きを読む

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1983年広島県生まれ。大学卒業後、環境系ベンチャー企業でフランチャイズ営業に従事。その後、人材系ベンチャー企業に転職し、新卒採用のコンサルティングなどに携わる。2008年にアイドマ・ホールディングスを設立。2015年に就労支援サイト「ママワークス」、クラウド型セールスプラットフォーム「セールスクラウド」をリリース。これまでに3000社近い企業の営業支援をしてきた。
株式会社アイドマ・ホールディングスについて
■ 事業内容次世代型営業支援(営業支援ソリューション、アウトソーシング型営業支援、次世代型営業支援ツール)
■ 設立年月2008年12月22日
■ 本社所在地東京都豊島区池袋2-6-1 KDX池袋ビル9F
■ 資本金1,000万円
■ ホームページ

http://www.aidma-hd.jp

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