2017.12.26 Tue

将棋AIで世界を変える社長の次の一手とは

HEROZ株式会社 代表取締役 林 隆弘 氏

 2017年春、将棋ソフトとプロ棋士が二番勝負を行う「電王戦」にて、将棋AI「Ponanza(ポナンザ)」は、佐藤天彦名人と対局し、勝利した。将棋AIが現役プロ棋士に世界で初めて勝利してから4年経つが、現役の名人に勝利したのはこれが初であった。

 このPonanzaの開発メンバーを擁し、AIを活用したインターネットサービスの企画・開発・運営を行っている企業が、HEROZ(ヒーローズ)株式会社だ。同社は日本将棋連盟が公認するゲームアプリ「将棋ウォーズ」などのゲームで培った独自のAI関連技術を生かし、近年では企業向けのAI「HEROZ Kishin」の開発にも注力、金融機関をはじめ多くの大手企業で導入実績を誇る。2017年11月には竹中工務店と建設業におけるAI活用に向けた共同開発を発表。第一段階として、構造設計AIシステムの開発に着手した。

 HEROZの創業者で代表取締役を務める林隆弘自身も、将棋でアマチュア全国優勝数回の経歴と当時のアマチュア最高段位である六段を取得した経歴を持つ人物だ。

 「アマの世界でトップの座に立った後、なんとかしてプロにも勝ちたいと思い、実力向上を目指す中で影響を受けたのが将棋のAIでした。そのAIに、未知の可能性を感じたことが、現在のビジネスの源流となっています」

 

プロを目指さない天才棋士

 静岡県沼津市に生まれた林が将棋を覚えたのは小学生の頃。囲碁好きの親から「一番になれる得意なものを見つけなさい」と日々言われ、水泳やサッカー、テニスなどにも取り組んだものの、思うような結果は出せなかった。そうしたなか、「将棋」だけはその才能をぐんぐんと延ばしていった。中学生になると、大人の全国大会で代表に選ばれるなど、大人相手でも成績を残していく。

 以前より「大人相手の一般大会で優勝したい」という思いが強かった。しかし高校最後の年に、高校選手権大会でも結果を残そうと思い直し出場。初出場・初優勝という快挙をあっさりと成し遂げた。

 さらに1995年、進学した早稲田大学で将棋部に所属すると、入学間もない1年生の6月に、学生名人に輝く。そして翌1月には、今度は将棋のオール学生選手権でも優勝を果たしてしまった。

「高校時代に『大学はレベルが違うぞ』と言われて続けていたので、それが力に変わったのでしょう」

 そして大学1年生の3月、ついに朝日アマ将棋名人戦の全国大会において当時最年少で優勝を果たした。

 しかし、林は職業として棋士を選ばなかった。林が目標としたのは、… 続きを読む

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林 隆弘(はやし たかひろ)

早稲田大学を卒業後、1999年4月、 日本電気株式会社(NEC)に技術開発職として入社 。IT戦略部、経営企画部に在籍する。その後、「世界を驚かすサービスを創出する」ことを目指し、2009年4月 HEROZ株式会社設立。棋力は将棋アマ六段(全国優勝により当時最高段位を獲得)、将棋ウォーズ七段

HEROZ株式会社について
■ 事業内容人工知能(AI)を活用したインターネットサービスの企画・開発・運営
■ 設立年月2009年4月
■ 本社所在地東京都港区芝5-31-17 PMO田町2F
■ 資本金1.1億円
■ 従業員数約40名
■ ホームページ

https://heroz.co.jp/

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