2017.02.21 Tue

データマネジメントなしにAIの成果は上がらない

株式会社グラフ 代表取締役 原田 博植 氏

 「Harvard Business Review」の記事によれば、データサイエンティストは21世紀の最もセクシーな職業だという。だとすれば、日本のデータサイエンティストのトップランナーである株式会社グラフの原田博植は、日本一セクシーな仕事をする人物といえるかもしれない。原田は大学卒業後、シンクタンク、外資系IT、リクルートなどでキャリアを積む傍ら、データ分析者の互助組織「丸の内アナリティクス」を主宰し、「データサイエンティスト養成読本」を執筆、2015年には「データサイエンティスト・オブ・ザ・イヤー」を受賞、現在経済産業省主催の「第四次産業革命に向けた競争政策の在り方に関する研究会」に民間企業から唯一委員として招致される存在である。

 

分析的だが理論に偏り過ぎず、考えながら行動する少年

 「性格はとても分析的でした。疑問が生じると、極限まで問い続けずにはいられない。有機物と無機物の境い目とか、虫や動物への社会認識など、科学哲学に対する姿勢は小学校低学年で確立されていました。」と原田は自身の幼少期を振り返る。

 疑問を放っておけないが、親や先生に答えを求めるのではなく一人で熟考する態度は哲学的思考とも呼べるものだが、理屈に頼り過ぎず考えながらも行動を起こす子どもだった。

 大学は英米文学を専攻、「緋文学」のナサニエル・ホーソーンやポストモダン小説の代表作家ポール・オースターをテーマに論文を書いた。「多言語を知っておきたいと思ったんです。英語や中国語に限らずプログラムも機械語も含め、いろいろな言語に興味がありました」と、文学部を専攻した理由を説明する。

 大学卒業後、「経営に携われる仕事をしたい」とシンクタンクに入社。アナリストの名刺を持ち市場調査を担当。自ら企画を考え調査・執筆まで担当した「非接触ICカード」、「電子ペーパー」、「バイオメトリクス」の3つの市場白書はベストセラーになった。企画立案から企業へのヒアリング、統計処理、分析的提言、さらには営業まですべてのプロセスを経験したことは、その後のキャリアを形づくる土台となった。

 当時は“データ爆発”とか“大規模データ”という言葉が躍りはじめた時代だが、シンクタンクの社内では、ITに対する偏見があったという。「極論ですが、データベースをさわるような仕事は下流とみなす人が多く、将来の社会変化を勘違いしている印象がありました。僕は、逆にデータベースを扱える能力がすごく重要だと思っていたので、スキルを身に付けるためにIT企業へ転職しました」。

 

意識的なキャリアパス構築でデータサイエンティストの素養を得る

 Web制作会社に転職してWebサイトのUI(User Interface)やUX(User Experience)の分析を経験した後、起業早々に上陸した外資系ネットベンチャーの日本法人に転職。各部署のKPIを定めて進捗をモニターしレポートが飛ぶ仕組みを構築したり、CRMでロイヤルカスタマーにレコメンドをアップロードするシステムを開発するなど、データを活用するさまざまな業務に携わった。

「この会社は、創業から1年で世界40カ国に事業を展開する急成長を遂げました。入社当時90人だった社員が退職時には900人に増えていた程の拡大基調で、社内にはエネルギーが満ちていました。しかし、本国本体の高い上場圧力から日本支社の社内ガバナンスが混乱してしまい、自身の業務もままならない状況に陥ってしまったので転職しました」… 続きを読む

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原田 博植(ハラダ ヒロウエ)
1977年生まれ。AIアルゴリズム開発ベンチャー株式会社グラフ代表取締役。シンクタンクに8年、外資ITベンチャーに1年半の勤務を経て、2012年に株式会社リクルート(分社化前)へ入社。人材事業(リクナビNEXT・リクルートエージェント)、販促事業(じゃらん・ホットペッパーグルメ・ホットペッパービューティー)、EC事業(ポンパレモール)にてデータベース改良とアルゴリズム開発を歴任。2013年日本のデータサイエンス技術書の草分け「データサイエンティスト養成読本」執筆。2014年業界団体「丸の内アナリティクス」を立ち上げ主宰。2015年データサイエンティスト・オブ・ザ・イヤー受賞。早稲田大学創造理工学部招聘教授。

株式会社グラフについて
■ 事業内容AIを活用したデータベースの収益化事業、アプリケーションの開発運営
■ 設立年月2016年10月1日(登記2015年10月13日)
■ 本社所在地東京都港区元麻布3-1-35 VORT元麻布B2F
■ ホームページ

http://gruff.co.jp/

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