Bizコンパス

リーダーに聞く
2016.05.24

スターバックスが次々と新形態の店舗を出店し続ける狙い

スターバックス コーヒー ジャパン株式会社 代表取締役最高経営責任者(CEO) 関根 純 氏

 2015年5月、47都道府県で唯一スターバックスの店舗が存在しなかった鳥取県に、県内第1号となる店舗がオープンした。初日には千人以上も行列ができ、全国的なニュースとなった。

 国内で1,000店舗以上を展開するスターバックスコーヒージャパンの最高経営責任者(CEO)を務める関根純は、鳥取一号店のオープンに駆けつけた際、地元住民からのあまりの歓迎ぶりに、「この盛り上がりは想定外だ」と喜びの声をあげた。その場で県内2号店に意欲を示すと、有言実行、年内に出店を果たしたのである。

 このエピソード1つをとっても、スターバックスはもはや日本人にとって単なる飲食店チェーンを超えた、地域や生活と密接に結びついた存在となっている。スターバックスはなぜここまで人々に愛されるのか。その裏には、CEOである関根純の狙いがあった。

 

“都会人コンプレックス”に突き動かされる

 1947年、東京で生まれた関根は、幼少期に北九州市に一度転居したことを除けば、大人になるまでずっと東京で過ごした。根っからの都会っ子ではあるが、高校時代には自由かつ硬派な“バンカラファッション”に傾倒。学ランに下駄履きといういささか非都会的な出で立ちで街を闊歩していた。

 大学はファッションスタイルそのままの文化を持つ早稲田大学へと進学。しかし、当時の早大には全国から上京して来ている苦学生も多く、関根は“都会人コンプレックス”にさいなまれることになる。

「親の仕送りだけでは暮らせずに、肉体労働しながら学費と生活費を稼いでいるような学生が周りにかなりいました。高い志を抱いて上京してきた地方出身者のバイタリティに圧倒されて、東京の自宅から通学している自分はなんてひ弱なんだと情けなくなったんです。それで極端な方向に走ってしまいました(笑)」

 関根が言う“極端”とは、自身も負けじと苦学生と同じ道を歩むことだった。日雇い労働や港湾労働者として働き、ある程度の小金が貯まると、巨大なリュックに寝袋を詰めて、ヒッチハイクしながら日本全国放浪の旅に出ることを繰り返した。

「現地で市場の人なんかと親しくなって、そのまましばらくバイトさせてもらったりと、おおらかな時代でしたね。あの頃からずっと人と接するのが大好きでした」

 

伊勢丹の出世街道の先にスターバックスが待っていた

 大学を卒業した1970年、伊勢丹(現・三越伊勢丹)に入社すると、2年目には花形である婦人服売り場に配属され、バイヤーの仕事などを任される。そこでは、バンカラ学生時代からは想像もつかないような最先端のファッションセンスが求められた。… 続きを読む… 続きを読む

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関根 純(セキネ ジュン)
1947年、東京都生まれ。早稲田大学商学部を卒業後、1970年株式会社伊勢丹(現 株式会社三越伊勢丹)に入社。取締役、上部執行役員営業本部本店長などを経て、株式会社丸井今井の専務執行役員、株式会社札幌丸井今井(現 株式会社札幌丸井三越)の代表取締役社長執行役員を歴任。2011年3月に退社すると、同年5月にスターバックス コーヒー ジャパン株式会社の顧問に就任、6月には代表取締役最高経営責任者(CEO)に就任。

スターバックス コーヒー ジャパン株式会社について
■ 事業内容 コーヒーストアの経営/コーヒー及び関連商品の販売
■ 設立年月 1995年10月26日
■ 本社所在地 東京都品川区上大崎二丁目25番2号 新目黒東急ビル
■ 資本金 135億8,114万円
■ 従業員数 3,172名
■ 業種 飲食
■ ホームページ

http://www.starbucks.co.jp/

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