突然テレビから飛び出す「勘定奉行におまかせあれ!」という歌舞伎の大見得は、一度耳にしたら忘れられない絶大なインパクトだ。

 このテレビCMで知名度抜群となった基幹業務パッケージソフト「奉行シリーズ」の開発・販売・サポートを行っているのが、株式会社オービックビジネスコンサルタント(以下、OBC)である。現在までに累計56万社の導入実績があり、中小企業向け業務管理ソフトの開発・販売では、常にトップシェアを誇っている。

 1980年の創業以来、ずっとOBCを率いているのが、代表取締役社長の和田成史である。

 

数字に関する独特の感性を持つ少年

 和田は1952年、東京の品川で生まれた。実家は祖父の代から燃料問屋を営んでおり、家族と大勢の従業員に囲まれた、賑やかな環境で幼少期を過ごした。

「私が物心ついた頃は、東京タワーはできあがっていましたけど、冷蔵庫はまだなくて、氷屋さんが持ってくる氷で物を冷やす『冷蔵箱』がありました。みんなで白黒テレビを見たり、ラーメン屋さんがチャルメラを鳴らしてやってくるような時代でした。うちには、地方から来た従業員さんの寮があって、一緒にご飯を食べたり、お風呂に入ったり、配達の時に三輪のミゼットに乗せてもらったり……まさに映画『三丁目の夕日』のような世界でした」

 和田は3人兄弟の末っ子だったので、家族や従業員から可愛がられ、伸び伸びと育った。しかし、あまりにもヤンチャが過ぎて、親からも呆れ果てられた。

「子どもの頃は、全く勉強ができなかったんです。何しろ野球ばっかりやって、遊ぶことしか考えていませんでしたから(笑)。毎朝、昨日の中身そのままの鞄を持って登校し、帰ったら、その鞄を放り投げてすぐに遊びに行く。毎日その繰り返しです。成績は区立の小学校のクラスの45人中、42、43番。親も『この子はダメだ』と嘆いていました」

 さすがに「このままではマズイ」と思い、小学校の高学年になると一気に勉強をはじめた。卒業間近になると、学年でトップの成績を収めるまでになった。

 実は、和田には人とは違う、特殊な才能があった。それは「数字」に対する独特の感性である。… 続きを読む

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和田 成史(ワダ シゲフミ)
1952年、東京都生まれ。1975年立教大学経済学部卒業後、大原簿記学校会計士課などでの勤務を経て、1980年3月に公認会計士、6月に税理士に登録。同年12月にオービックビジネスコンサルタントを設立し、代表取締役社長に就任、現在に至る。社団法人コンピュータソフトウェア協会(CSAJ)会長なども務める。2014年春の褒章で藍綬褒章を受章。

株式会社オービックビジネスコンサルタントについて
■ 事業内容ビジネスソリューションテクノロジー及びITソリューションテクノロジーの開発販売、プロダクトに対する保守・導入指導等のサービス提供
■ 設立年月1980年12月
■ 本社所在地東京都新宿区西新宿六丁目8番1号住友不動産新宿オークタワー 32F
■ 資本金105億1,900万円
■ 従業員数654名(平成27年3月31日)
■ ホームページ

http://www.obc.co.jp/

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