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リーダーに聞く
2015.10.06

“逆風”をものともしないシネコン会社を作りたい

TOHOシネマズ株式会社 代表取締役社長 瀬田 一彦 氏

 東宝のグループ会社として、シネコンなど映画上映施設を全国に展開するTOHOシネマズは、銀座、日比谷、渋谷、六本木、歌舞伎町など、都内の超一等地に多くの映画館を有することでも知られる。

 今年4月17日には、旧・新宿コマ劇場があった新宿東宝ビルに、「TOHOシネマズ新宿」をオープンした。同館は映画のシーンに合わせて、客席が動いたり風や香りなどの効果が加わる、体感型の「4Dシアター」を搭載している点が特徴。国内で4Dシアターを導入している映画館は限られており、連日予約が取れないほどの人気となっている。さらに、ビルの屋上からゴジラが顔を覗かせる外観もインパクト満点で、海外からの観光客などがカメラを向けるなど、歌舞伎町の新しいランドマークとなっている。

 このTOHOシネマズの舵を取るのが、代表取締役の瀬田一彦だ。

 

高校はハンマー投げ、大学は映画に夢中に

 1959年に横浜で生まれた瀬田は、中学生まではごく普通の子どもだったという。他人とは少し違うことに打ち込むようになったのは、高校からだ。陸上部に入り、ハンマー投げの選手として3年間練習に明け暮れたのである。

 同級生でハンマー投げの選手は瀬田1人。同じ陸上部内でも「危険だからあっちで練習して」など隅に追いやられがちで、練習日を他の種目とは別の日にさせられたりすることもしょっちゅうだった。しかし地道な努力のかいがあって、県の新人戦で3位、県大会では5位と健闘することができた。

「当時は本当にマイナーなスポーツでしたので競技人口は県全体でも40人程度と少なく、これで強くならなければ格好悪いと思ってとにかくがむしゃらでした。何かに熱中した生涯最初の記憶ですし、高校を卒業する頃には燃焼し尽くした充実感がありました」

 寝ても覚めても運動ばかりだった高校時代とは一転して、大学では娯楽やエンターテイメントの世界に夢中になる。なかでも特にはまったのが、もともと好きだった映画だ。自ら8mmフィルムカメラを手に映画を自主制作したり、映画会社が実施するシナリオ制作の講習会に参加したり、エキストラに参加したりもした。

 そうこうするうちに映画の仕事に関わることを志すようになった瀬田は、大学を卒業した1984年に国内最大手の映画会社、東宝に入社する。

「“志した”とは言ってもそれほど大仰なものではなく、高倉健さんと一緒にロケ弁が食べられたらいいな、ぐらいのものでした(笑)」

 

プロデューサーからセット作りまで、映画の表舞台と裏舞台を経験

 映画づくりを志望して入社したものの、… 続きを読む… 続きを読む

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瀬田 一彦(セタ カズヒコ)
1959年、横浜市生まれ。1984年早稲田大学法学部卒業後、東宝株式会社に入社。映画営業部、映画調整部に所属し、2004年10月より映画調整部次長を務める。2006年株式会社東宝映像美術に常務取締役として出向、2010年には同社代表取締役社長に就任。2012年5月9日よりTOHOシネマズ株式会社代表取締役社長に就任。同月24日より東宝株式会社取締役(非常勤)も務める。

TOHOシネマズ株式会社について
■ 事業内容 (1)映画館の経営、(2) パンフレット、キャラクター商品の販売、(3) 軽飲食物の販売、(4)レストラン、喫茶店の経営、(5)広告代理業、(6)(1)~(5)に付帯関連する一切の業務
■ 設立年月 1997年9月12日
■ 本社所在地 東京都千代田区有楽町1-2-2 東宝日比谷ビル5F
■ 資本金 23.3億円
■ 従業員数 約4,460名(2015年4月1日現在/パート・アルバイト含む)
■ 業種 映画興行
■ ホームページ

http://www.tohocinemas.co.jp/index.html

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