ファミリーレストランの「ロイヤルホスト」、天丼・天ぷらの「てんや」、ビジネスホテルの「リッチモンドホテル」。これらのチェーン店は、すべて1つの持株会社によって展開されている。それが、ロイヤルホールディングス株式会社だ。もともとは福岡で機内食を行う企業として発足し、以後ロイヤルホストを中心に外食事業を展開してきたが、2005年にホールディングス制に移行。現在では、上記の外食事業・機内食事業・ホテル事業のほか、空港・高速道路や病院など大規模施設内での飲食・物販を提供するコントラクト事業も、傘下の企業によって運営されている。

 このロイヤルホールディングスのトップに立つのが、2010年より代表取締役社長を務める菊地唯夫である。リーマンショック後に業績が低迷した同社を再建し、3期連続増収増益という健全な経営体質へと改善したリーダーは、外食ともホテルとも無縁の金融業界で育った人物だった。

 

“早読み”、“早書き”の学生時代

 1965年、菊地は神奈川県大船市に生まれた。小学生時代には地域の野球チームに所属しスポーツに打ち込む一方で、とにかく本が大好きな少年だった。

「“本の虫”という言葉がぴったりと当てはまる子どもでしたね。小説、ノンフィクション、各種解説本、そして子供向けも大人向けもと、ジャンルも対象年齢も関係なくあらゆる本を読みまくっていました。月に20~30冊ぐらいでしょうか。地元の図書館にある本のすべてを制覇してしまうのではないかという勢いでした(笑)」

 やがて早稲田大学に進学すると、邦文速記研究会という速記のサークルに入る。3年時にはサークルの幹事長となるとともに、日本中の大学の速記サークルからなる団体の理事長も務めた。理事長として速記の全国大会を主宰するなど、学業とサークル活動で多忙な学生時代を過ごす。

 大学卒業後の進路は、当時最も人気の高かった金融業界を志し、希望通り1988年に日本債券信用銀行(日債銀、現 あおぞら銀行)に入行する。最初は名古屋支店へと配属され、3年間融資を担当した後、MBA(経営学修士)を取得すべく、フランスの大学院に留学した。

「英米とは違う世界に行きたいなという思いからフランスを選んだのですが、フランス語ができるとはとても言えないようなレベルでした。そこで早めに現地に行ってホームステイを繰り返したりして、なんとか授業を聞き取れるぐらいにはなろうとしました。最初のうちはとても苦労しましたが、最後は授業も日常会話も不自由ないようになりましたね」

 無事にMBAを取得、帰国後は国際営業企画部の配属となり、海外への融資の企画に携わる。しかしその頃から、バブル崩壊の余波を受けた金融界は深刻な危機へと陥って行く。

 

破綻寸前の銀行で出会った理想のリーダー… 続きを読む

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菊地 唯夫(キクチ タダオ)
1965年、神奈川県生まれ。1988年早稲田大学政治経済学部卒業後、株式会社日本債券信用銀行(現 株式会社あおぞら銀行)に入行。1997年には頭取の秘書を担当。その後ドイツ証券会社を経て、2004年ロイヤルホールディングス株式会社に入社。総合企画部長兼法務部長などを歴任し、2010年3月より代表取締役社長に就任、現在に至る。

ロイヤルホールディングス株式会社について
■ 事業内容外食事業、コント ラクト事業、機内食事業、ホテル事業及び食品事業を主な内容とした事業活動の展開
■ 設立年月1950年4月
■ 本社所在地福岡市博多区那珂三丁目28番5号
■ 資本金13,676百万円
■ 従業員数2,437人(2014年12月末時点)
■ 業種グループの経営を統括・管理する純粋持株会社
■ ホームページ

http://www.royal-holdings.co.jp/index.html

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