2015.07.07 Tue

JFA大仁会長に聞く、日本サッカーの未来を開く鍵とは

公益財団法人 日本サッカー協会 会長 大仁 邦彌 氏

 今や押しも押されもせぬ国民的スポーツとなったサッカー。そんな日本でのサッカー人気を支えているのが、公益財団法人日本サッカー協会(JFA)だ。男子、女子の日本代表チームを組織し、ワールドカップ(以下、W杯)やオリンピックといった世界大会への参加、Jリーグやなでしこリーグといったサッカー大会の主催が主な活動だが、サッカーを通じた国際交流や東日本大震災の復興支援など、サッカーを通じた社会貢献活動も行っている。

 幅広く活動する同団体を率いているのが、自身も日本代表として活躍した生粋の“サッカー人”である、大仁邦彌(だいに くにや)だ。

 

サッカーに明け暮れた青春時代

 大仁がサッカーと出会ったのは小学生の頃だ。兄の通う神戸市本山中学に遊びに行った際、グラウンドで行われていたこのスポーツを初めて目にした大仁は、迫力があって面白そうだと興味を抱いた。しかし、中学に上がってみると「汚いし、ガラが悪そうだ」と思い、入部を決めかねていた。結局、2年生になってサッカー部に入部。指導者にも恵まれて3年生の時には近畿大会で優勝を果たした。

 そして名門・県立神戸高校へと進学すると、まさにサッカー漬けの日々を過ごすようになる。かつては何度も全国優勝したサッカー強豪校としての伝統は当時も残っており、サッカー部の監督は元日本代表の選手だった校長が自ら務め、また夏の練習には部員の数以上のOBが駆けつけた。

「これまでのサッカー人生すべての中でも、高校時代の練習が一番厳しかったですね。まだ技術が確立されていない時代でしたので、とにかく基本的な練習を繰り返していました。ただ、そのおかげでその後の選手生活に欠かせないサッカーの基礎を身につけることができました」

 一年の浪人を経て、神戸高校サッカー部出身者の多い慶應義塾大学に入学する。同窓の先輩には、2008年から2010年にかけて日本サッカー協会会長を務めた犬飼基昭氏もいた。

「まだ早慶のサッカーが強い頃でしたし、東京オリンピックの開催間近ということもあって、せっかくなら東京でサッカーをやってみようといったぐらいの感覚でした」

 サッカー部(正式名称は慶應義塾体育会ソッカー部)に入ったばかりの頃、大仁にとって特に印象深かったのが、関西と関東との土の質の違いだった。砂利状で硬く荒い関西のグラウンドの土に対し、関東のそれは砂っぽく柔らかったという。

「関西の土は、ディフェンスでスライディングしたりすると足がズルズルと剥けましたので、関東の土は肌に優しくて嬉しかったですね(笑)」

 2年留年した大仁は、サッカー部に6年間在籍した。一貫してトップ選手だったこともあり、関東大学サッカーリーグでは6年間、全公式戦にフル出場という記録も打ち立てた。大学卒業の年には、全国大学選手権の決勝戦で最後のゴールを決めて優勝し、有終の美を飾った。

 大学6年間をサッカー一筋で過ごした大仁は、卒業後もサッカーの道を進むことを決意する。当時、日本にはプロのサッカーリーグはなく、実業団(日本サッカーリーグ/JSL)でサッカーを続けながら日本代表となることを目指したのである。そのため、慶應サッカー部のOBも多く、大仁へのラブコールも熱心だった三菱重工(後の浦和レッドダイヤモンズ)に入社することにした。

「サッカーができるし仕事もできるしと、私にとっては願ったりかなったりの環境だと思いました」

 

“メキシコ組”とのギャップ そして日本代表としての誇り

 大学サッカー界では全国に名を馳せるディフェンダーだった大仁だったが、1970年に社会人となってまず驚いたのが、… 続きを読む

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大仁 邦彌(ダイニ クニヤ)
1944年、兵庫県神戸市出身。中学生よりサッカーを始め、神戸高校、慶應義塾大学、三菱重工にてサッカー選手として活躍、三菱重工では日本サッカーリーグ、天皇杯での優勝を経験する。1972年に日本代表に選出され、国際Aマッチ44試合に出場。1978年に現役引退し、その後、日本代表コーチ、三菱重工サッカー部監督などを歴任。1992年より日本サッカー協会の施設委員会委員長、強化委員長などを務め、2012年6月第13代会長に就任。

公益財団法人 日本サッカー協会について
■ 事業内容サッカーを通じて豊かなスポーツ文化を創造し、人々の心身の健全な発達と社会の発展に貢献するための活動
■ 設立年月1921年
■ 本社所在地東京都文京区サッカー通り(本郷3丁目10番15号)JFAハウス
■ ホームページ

http://www.jfa.jp/

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