2014.02.18 Tue

地図ビジネスで「先読みが難しい時代」を生き抜く

インクリメントP株式会社 代表取締役社長 神宮司 巧 氏

 インクリメントP株式会社,代表取締役社長,神宮司 巧

iPhoneユーザーの半数が使った「MapFan」

 不慣れな土地でのドライブに必須のカーナビゲーションシステム(カーナビ)や、旅行先で便利なスマートフォンの地図アプリ。「インクリメントP」(iPC)という社名に馴染みがなかったとしても、これらを日常的に利用しているという人は多いだろう。

 同社の主力ビジネスは、カーナビメーカーに向けたナビシステムの基盤となる地図データおよびソフトウェアの提供だが、「MapFan」のブランドで知られるスマートフォン向け地図アプリのメーカーとしても知られる。

 MapFanは、一般的な「オンライン地図」と異なり、すべての地図情報を端末側に保存することで、電波が入らないオフラインの状態でも閲覧が可能な地図アプリだ。同社では、2011年の東日本大震災の発生直後に、当時2,300円で販売していたMapFanの期間限定での無償化を決めた。主に帰宅困難者や、電波状態が不安定な被災地で活動する人々の支援を目的とするもので、社内からボトムアップで提案があったアイデアだったという。

インクリメントP株式会社,代表取締役社長,神宮司 巧「結果的に、当時の日本におけるiPhoneユーザーの半数近くがMapFanをダウンロードしてくれました。iPhoneアプリとして2,300円という価格は高額な部類に入るためか、それまでユーザーは限られていたのですが、結果的に多くのユーザーに使っていただくことができ、それまでなかった量のフィードバックも得られました。分かったことのひとつは、常時はもちろん、特に非常時において“圏外でも使える地図アプリ”に対するニーズは、かなり高いということ。オフラインで使える地図アプリを、今後も提供し続けていこうという方針は、より固まりました。最新版のMapFan+には、あの時にユーザーさんからいただいた声も多く反映されています」

 そう語るのは、2010年より同社の代表取締役社長を務める神宮司巧だ。

 

「カーナビ」のノウハウから派生した地図情報ビジネス

 iPCは1994年、カーナビも手がける電機メーカーであるパイオニアの完全子会社として設立された。カーナビに限らず、90年代の「マルチメディアブーム」の中で、CD-ROMやパイオニアが推進していたレーザーディスクとパソコンを組み合わせたソフトウェアやアプリケーションを開発する企業としてスタートした。

 社名にある「インクリメント」とは、ソフトウェア開発の世界では「++」と表記し、変数の値を1つ増加させる演算を表している。

「社名の“P”は、『PlaningやProductionのPower』の“P”であり、そうした“P”を徐々に大きく発展させ、世の中にProfitを生み出していきたいという思いが込められています」… 続きを読む

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神宮司 巧(ジングウジ タクミ)

1959年鹿児島県生まれ。1982年に宮崎大学工学部卒業後、パイオニア株式会社入社。
2000年にインクリメントP株式会社に出向し、R&D技術開発センター所長、開発本部長、取締役を経て、2010年10月に同社3代目の代表取締役社長に就任。現在に至る。

インクリメントP株式会社について
■ 事業内容デジタル地図データの制作、販売。カーナビゲーションシステムや各種デジタルデバイス向けの地図・位置情報サービスの開発、提供。
■ 設立年月1994年5月1日
■ 本社所在地神奈川県川崎市川崎区日進町1-14 キューブ川崎2F
■ 資本金4億3,450万円
■ 従業員数512名(2013年4月1日現在)
■ 業種情報通信
■ ホームページ

http://www.incrementp.co.jp/

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