2013.06.25 Tue

「驚かせたい」の一念がおたく文化を後押し

株式会社まんだらけ 代表取締役社長 古川益蔵 氏

株式会社まんだらけ 代表取締役社長 古川益蔵


新たな市場を開拓した全国初の漫画の古書専門店

 漫画をはじめとしてアニメやゲームなどにかかわる音楽・映像ソフトや各種おもちゃ、セル画やポスター等のアニメグッズ、同人誌、コスプレ衣装に至るまで、あらゆるジャンルのおたく・マニア向け商品を扱うまんだらけ。その本拠地である「中野ブロードウェイ」は、かつては日本中どこにでもある普通のショッピングセンターだったが、今や「サブカルチャーの聖地」と呼ばれるまでの変貌を遂げた。そのきっかけをつくった張本人こそが、古川その人である。彼の率いるまんだらけは、現在もう一つの“聖地”である秋葉原にもビルディング型の店舗を構える他、全国に11店舗を展開している。さらに、ネットショップやネットオークションでも店舗同様の商品を扱っており、その顧客は世界中に広がっているのである。

株式会社まんだらけ 代表取締役社長 古川益蔵 そんな古川がビジネスを始めたきっかけは、「ほんのなりゆき」(本人談)であった。彼は高校卒業後、漫画家を目指して故郷の滋賀県から単身上京する。中野で暮らし始め、漫画家デビューも果たすが、やがて調布へと引越し、そこで水木しげるのアシスタントを務めることになる。大の漫画好きの友人が、知人の支援を受けて貸本屋を始めたのはその頃だった。古川もアルバイトとして彼の店を手伝ったものの、貸本屋は思っていたほどうまくはいかなかった。そんな折、たまたま古川は知り合いから「漫画専門の店を出したらきっと儲かるのでは」というアドバイスを受ける。そこで貸本屋を諦め、友人と新たに漫画専門の古書店という日本で初めてのビジネスを開始した。すると、その店には継続的に客が訪れるようになった。しかし商売が順風満帆に動き始めた矢先、家賃の問題から友人は店を辞めてしまい、自然と古川一人で継ぐこととなったのである。

 古川が店主を務めるようになると、途端に客足が途絶えた。漫画マニアの友人が店をやっていた頃には全国から集まっていた彼の“マニア仲間”たちの足が遠のいたのだ。対して古川は、漫画を描くのは好きでも、決して漫画マニアではなかった。そんな彼の店に客を呼ぶには今の場所では難しいと判断し、以前住んでいた中野に店を移すことを決断する。

 当時の心境を古川は次のように振り返る。「本を売るにはとにかく人の多い繁華街じゃなければダメだと考えました。当時の私にとって東京で一番の繁華街といえば、上京して最初に暮らした中野だったのです」

 こうして中野ブロードウェイの一角、わずか2坪半のスペースに、漫画古書店「まんだらけ」は開業した。1980年のことである。時に来客の相手をしながらも、かなりの時間を漫画を描いて過ごせる店の経営は、当時の古川にとって趣味のようなものであったという。ところが、客の数が日一日と増えていくようになると、漫画を描く時間もなかなか取れないようになっていったのだ。… 続きを読む

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古川 益蔵(フルカワ マスゾウ)
1950年10月21日滋賀県生まれ。70年代「ガロ」を中心に漫画家として活動を始める。
1980年に漫画専門古書店「まんだらけ」を中野に開業。1987年に株式会社まんだらけを設立。
現在は全国に11店舗を構える。

株式会社まんだらけについて
■ 事業内容古書籍・古物店の経営 自社出版物の編集及び販売
■ 設立年月1987年2月20日
■ 本社所在地東京都中野区中野5丁目52番地15号
■ 資本金8億3,744万円(平成20年9月30現在)
■ 従業員数350 名(平成23年6月30日現在)
■ 業種小売業
■ ホームページ

http://www.mandarake.co.jp/

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