2013.06.18 Tue

残業ゼロで業績UP。逆転の発想の真価とは

株式会社ワーク・ライフバランス 代表取締役社長 小室 淑恵 氏

株式会社ワーク・ライフバランス代表取締役社長 小室 淑恵

目指すのは、「ワーク」と「ライフ」のシナジー効果

 2006年7月の設立から7年。生産性の高い組織を作るワーク・ライフバランスコンサルティングを提供し、のべ900社を超える企業を支援してきた「ワーク・ライフバランス社」。設立当初は、女性の雇用支援ととらえられていた「ワーク・ライフバランス」だが、急速な少子高齢化や団塊世代の大量退職が重なる現在では、男女問わずあらゆる働き手と企業にとって、労働環境問題の解決の糸口としてますます期待が高まっているという。
 「ワーク(仕事)とライフ(家庭や生活)を充実させることで、個人と企業、双方が幸せになるんです」と笑顔で語る代表取締役の小室に、まずは、ワーク・ライフバランスを導入することで生まれるメリットを尋ねた。

「ワーク・ライフバランスという社名を掲げていますが、私どもの本来の目的を正しく示す言葉で言い変えると、“ワーク・ライフシナジー”でしょうか。単にワークとライフのバランスを図るというよりは、個人の働き方や企業の制度を見直すことで、ワークもライフもより充実したものにしていくという考え方。両者を調和させることで、その相乗効果が好循環を生み出すのです」

 充実したライフを過ごすことで、個人に、よりたくさんのアイデアがインプットされ、結果として付加価値の高いアウトプットが生まれる。そしてそれが、業績向上をはじめとした企業の成長を促していくのだ。

株式会社ワーク・ライフバランス代表取締役社長 小室 淑恵「個人と企業が良好に関係し合うことこそが大切なのであって、どちらか一方だけがいいということでは長続きしません。互いにWin-Winになる関係を築くことが大切なんです。そのためには、労働時間ではなく、時間あたりの生産性で評価を行うことが重要。評価の基準が変わることで、個人が集中して仕事に取り組むことができ、短時間で成果を上げるようになります。定時退社後、家族で一緒に過ごす経験や自己研鑽を通じて得る学びは、会社の商品やサービスに、新しいアイデアという形で跳ね返ってきます」

 そんなワーク・ライフシナジーのひとつに、従来型の日本企業に多い「長時間労働」からの脱却があげられるが、生み出された時間の使い方は人それぞれで、時代による変化もある。

「短時間で高い生産性をあげるノウハウを、多くの企業にご提供させていただいておりますが、現在では、育児休業を取る女性よりも、介護休業を取る男性が増えているという実情があるようです。男性の割合が高い建設業や商社などの企業で、管理職の男性が介護休業として長期休業を取るケースが増えているのです」

 団塊世代がいっせいに70歳以上となり、介護が必要な人の割合が一挙に増える2017年。間近に迫る4年後に向け介護問題はどんどん加速し、待ったなしの状況なのだという。

「正社員であるかどうかにかかわらず、誰もが残業なく時間内で勤務するのがあたりまえになります。介護や子育てで短時間勤務制度を利用している社員が組織内で浮き立たたず、同じ土壌で誰もが気兼ねなく働くことができるシステムを作ることが大切なんです」

 ワーク・ライフバランスコンサルティングは、勝ち続けられる働き方を組織に組み込むという実にシンプルなもの。日々の仕事を通じて取り組むことができ、中堅・中小企業にも実践しやすい明快な仕組みが、多くの企業に支持される秘密なのかもしれない。

 

「働き方」から変わった業界の意識。負のスパイラルからの脱却

 これまで900社以上のコンサルティングを請け負ってきて、特に需要が多い業種はあったのだろうか。

株式会社ワーク・ライフバランス代表取締役社長 小室 淑恵「業種ごとの傾向は見られません。ほんとうに幅広い業界からご要望をいただいています。30名から4万人まで企業の規模もさまざま。同じ業種でも、その会社の社風でまったく違うんですよ。とくに会社によって差が大きいのはIT業界。残業が多いと思われがちですが、どういうルールで仕事をし、どういうふうに社員を評価するかという、企業の姿勢で変わってきます」

 ひとつ業界をあげるとするなら、現在の傾向としては建設業界からの引き合いが多いという。ワーク・ライフバランスからは最も遠いような印象を受ける建設業界だが、実は業界で深刻な事態が進みつつあるのだという。… 続きを読む

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小室淑恵(コムロ ヨシエ)
株式会社ワーク・ライフバランス代表取締役社長。06年(株)ワーク・ライフバランスを設立。 「育児休業者職場復帰支援プログラムarmo(アルモ)」、「介護と仕事の両立ナビ」、「朝メール.com」などを開発。また携帯電話用サイト「小室淑恵のWLB塾」をリリース。多種多様な価値観が受け入れられる社会を目指して邁進中。二児の母の顔をもつ。内閣府の委員など複数の公務を兼任。著書多数。近著に『夢を叶える28日間ToDoリスト』(講談社)。NHK「NEWS WEB」の月曜ナビゲータとしてレギュラー出演中。

株式会社ワーク・ライフバランスについて
■ 事業内容ワーク・ライフバランスコンサルティング事業、休業者職場復帰支援事業、講演・研修事業、ワーク・ライフバランスコンサルタント養成事業、ワーク・ライフバランス組織診断事業
■ 設立年月2006年7月
■ 本社所在地東京都港区
■ 資本金1,000万円(2013年4月現在)
■ 業種サービス業
■ ホームページ

http://www.work-life-b.com/ 

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