らでぃっしゅぼーや株式会社 代表取締役社長 緒方 大助


消費者自身が本物を見極める時代

 白地にあざやかな赤が目を引く赤かぶのイラストを描いたトラックが街中を走るのを見たことがあるだろうか? 有機・低農薬野菜や無添加食品などの会員制宅配事業を展開し、自然派食品宅配市場では会員数No.1を誇る「らでぃっしゅぼーや」の専用宅配トラックである。

 「共働き世帯」や「高齢者世帯」の増加という時代の流れを背景に、同社はこれまで高品質な有機・低農薬野菜や無添加食品など本物の商品を届けることにこだわり、その会員数を増やしてきた。
 会員になる理由はさまざまで、「子どもにも安全な食べ物を食べさせてあげたい」「仕事が忙しくて買い物をする時間がない」「重たい買い物袋を持つのが難しくなってきた」などの声が代表的なものだ。

 「らでぃっしゅぼーや」は、もともと環境系NPOの活動から派生して1988年に生まれた会社である。同社はそれまで流通網が限られていた有機野菜・低農薬野菜を、戸別宅配という仕組みによって一般消費者に広く提供するという画期的な仕組みを作りあげた。
 当時、まだあまり馴染みのない「有機野菜」だったが、「有機野菜の一般化」の流れを推し進めたのが、青汁で知られるキューサイによる「らでぃっしゅぼーや」のM&Aだった。キューサイで開発次長をしていた緒方は、「食の安全をもっと広げていくべきだし、消費者のニーズが多様化する時代において、そのニーズも増えるはずである」という想いから、同社の社長に「らでぃっしゅぼーや」への転籍を願い出た。「それならば社長で行け」と予想外の指示を受け、弱冠40歳で社長に就任することになる。

らでぃっしゅぼーや株式会社 代表取締役社長 緒方 大助「らでぃっしゅぼーやの存在によってトレーサビリティが確立された有機野菜が身近なものになったといっても、私が社長に就任した2000年当時は、食の『安心・安全』に強いこだわりを持つのはまだ一部の消費者だけでした。それが今では、有機野菜という言葉は広く一般のものになっています。消費者の意識が大きく変わるきっかけとなったのは、2000年代はじめに発生したBSE(狂牛病)や消費期限の改ざんなどの問題です。国産の食品だからといって、すべてのものが安全・安心ではないと消費者が気づき、安心・安全のプライオリティが高まりました」

 専門の流通業者しか扱っていなかった有機野菜・低農薬野菜が、今ではスーパーマーケットの売り場にも並ぶようになった。身近な存在になって買いやすくなったからこそ、「本物はどれかを消費者自身が見極める時代」に入ってきていると緒方は今後の市場の流れを予測する。

 

配送料無料への挑戦と実現の秘密

 緒方が社長に就任した当初、「安全・安心」をキーワードにした戸別宅配サービス分野は競争が激化していた。生協ブランドの戸別宅配サービスが各地域でシェアを伸ばすと共に、新興ブランドも台頭しはじめていた。この厳しい環境の中で「らでぃっしゅぼーや」の支持を伸ばすため、緒方はいくつもの改革に着手し、差別化を進めてきた。… 続きを読む

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(プロフィール)
緒方 大助(オガタ ダイスケ)
1960年福岡県生まれ。1993年キューサイ株式会社入社。その後、開発次長などを経て、M&Aをきっかけに、らでぃっしゅぼーや株式会社代表取締役社長に就任。2006年にMBOでキューサイから独立し、2008年12月ジャスダック証券取引所に上場。環境NPO出身の企業を上場企業にまで成長させる。安心・安全でおいしい商品の提供を通じ、お客さまに豊かで上質な生活の提案し続けている。

らでぃっしゅぼーや株式会社について
■ 事業内容有機野菜・低農薬野菜、無添加食品の会員制宅配サービス
■ 設立年月1988年5月17日
■ 本社所在地東京都新宿区西新宿3-20-2 東京オペラシティビル
■ 資本金8億6,921万9千円
■ 従業員数233名 パート・アルバイト155名(2012年2月末現在)
■ 業種流通
■ ホームページ

http://www.radishbo-ya.co.jp/

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