2013.04.24 Wed

最年少一部上場を果たした社長が手放さなかった「夢」

株式会社リブセンス 代表取締役社長 村上 太一 氏

株式会社リブセンス 代表取締役社長 村上 太一

 売却をとどまらせた、起業に対する「思い」との対話

 「成功報酬型」かつ「求職者への祝い金進呈」という新たなビジネスモデルにより、ネット上でのアルバイト求人マッチングサービスとして急成長を果たした「ジョブセンス」。同サービスを運営するリブセンスの村上太一社長にとって「社長になること」は「小学生のころからの夢」だった。

 彼がその夢を実現したのは、大学在学中の2006年のことだ。その後、ジョブセンスをはじめとした人材マッチング関連サービスを拡充するとともに、不動産領域へも事業を拡大。2012年12月期の売上は22億6,000万円に達する。同年10月に、リブセンスは東証一部への上場を果たした。創業から6年。村上は25歳で、東証一部上場の最年少記録を塗り替えて脚光を浴びた。

 ともすれば、彼の起業家人生は「順風満帆」な船出を果たしたようにも見える。しかし村上は、つかんだばかりの夢を、自らの意志で手放す直前にまで、追い込まれたことがあったという。

 それは、創業直後のことだった。村上は当時のことを「理想と現実のギャップに直面して、先のことがまったく見えなくなったのです」と振り返る。

株式会社リブセンス 代表取締役社長 村上 太一「大学1年当時に事業計画を立て、初年度には7,000万円の売上を見込んでいました。しかし、実際には400万円程度の売上しか立たなかった。成功報酬型の人材マッチングというビジネスモデルは、これまでにないものであったことは間違いありません。しかし、これまでないものだったがゆえに、この先うまく事業として運営していけるかどうかも先例がなく、完全な未知数でした」

 これまで自分の中で思い描いていた成功のイメージと現実との間の大きな壁に阻まれ、悩みと焦りから眠れない日々が続いた。ついに、その苦しさに耐えかね、事業の売却を検討する。実に、売却後の引取先まで準備していたという。

 夢を手放す寸前まで追い込まれた村上を、寸前で思いとどまらせたのは、これまであまり意識してこなかった、起業に対する自分自身の「思い」との、深い対話だった。

「苦しい状況の中で、改めて、自分はなんで起業したかったのかについて、深く考えてみたんです。創業当時は『なんで会社をやりたいの?』という問いに『やりたいからです』と答えていました。これは、答えになっていないのです。改めて起業への思いを深く掘り下げる中で、自分は『人に影響を与えたり、その結果として喜んだりしてもらえること』に幸せを感じているということを改めて確認しました。自分のモチベーションはそこにあると再認識したことが、土壇場で踏みとどまる力になりました」

 村上のこの思いは、「幸せから生まれる幸せ」という、当時の同社の理念に反映された。かつてから心の中にあった「思い」を、あえて「言葉」にして掲げることで、折れる寸前だったモチベーションを、どうにか維持することができたという。

 同時に、事業を軌道に乗せるためのビジネスモデルの調整にも積極的に取り組んだ。求人側への成功報酬型というモデルを保ちつつ、「採用決定者へのお祝い金制度」を新たに導入したのは、求人企業だけでなく、サイトを利用する応募ユーザーにとっても魅力的な仕組みが必要なのではないかと考えたためだ。… 続きを読む

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村上 太一(ムラカミ タイチ)
1986年東京都生まれ。高校時代から、創業メンバー集めなど起業準備を開始。2005年、早稲田大学政治経済学部入学。「ベンチャー起業家養成基礎講座」を受講し、ビジネスプランコンテストで優勝。2006年2月、大学1年生でリブセンスを設立。2011年12月に東証マザーズ、2012年10月に東証一部へ史上最年少25歳で上場。会社事業が何より好きで、365日仕事を楽しむ。事業の合間をぬって学生向けに講演し、次代を担う後進にエールを送っている。

株式会社リブセンスについて
■ 事業内容インターネットメディア運営事業
■ 設立年月2006年2月8日
■ 本社所在地東京都品川区上大崎2-25-2 新目黒東急ビル5F
■ 資本金2億1,993万円(2012年12月現在)
■ 従業員数92名(2012年12月現在)
■ 業種インターネットサービス
■ ホームページ

http://www.livesense.co.jp/

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