2013.04.10 Wed

超小型人工衛星で地球インフラ構築に挑む

株式会社アクセルスペース 代表取締役CEO 中村 友哉 氏

株式会社アクセルスペース 代表取締役CEO 中村 友哉氏

 超小型人工衛星を産業として定着させたい

 オフィスの半分ほどがビニールで囲われ、塵埃が除去されたクリーンルームとなっている。言うなれば、そこが「工場」である。箱形の物体が2つあるのが見える。1つは30㎝、もう1つは50㎝四方ほどの大きさ。中村の説明によると、いずれも2013年中に打ち上げ予定の超小型人工衛星だという。
 中村と超小型人工衛星の出会いは、東京大学3年のとき。高校時代は化学が好きで、大学でも漠然と化学関連の学科に進学するだろうと考えていたが、教養課程で講義を受けるうちに自分の求めているものとは違うと気付く。専門課程を選択するにあたり、人工衛星を手作りする研究室があるのを知った。

株式会社アクセルスペース 代表取締役CEO 中村 友哉氏 「恩師の中須賀真一先生(東京大学工学部教授)の話を聞いたのが一番のきっかけですね。大学生が人工衛星を作るというのが大きな衝撃でしたし、世界的に見ても、なかなかできない経験だと思いました」

 航空宇宙工学の研究室に所属し、大学院を卒業するまでの6年間に3つの人工衛星を作るプロジェクトに関わることに。最初は、作るたびに人工衛星の性能が進化していくのが純粋に楽しかった。手がけた人工衛星が思った通りに動き、遠い宇宙から発する信号を受信できたとき、エンジニアとしての感動を覚えた。だが、やがてそれだけでは満足できない自分に気づく。

 「単に自分たちが作って喜ぶだけでなくて、超小型人工衛星を使って、どう社会に貢献できるかを考えるようになりました。大型衛星1つの開発に10年単位の時間と数百億のコストを要するのに対して、超小型衛星は数億円の予算、期間も2〜3年で製作できます。ヘリコプター1機と同じくらいのコストですから、民間企業が投資して、超小型人工衛星を使ったビジネスを始めることも十分に可能です。超小型人工衛星を産業として定着させることが自分の使命ではないかと思ったんです」

 大学発ベンチャー支援制度を活用し、起業に向けての本格的な準備を開始。起業を実現するには、援助金が交付される3年の間に注文先を見つけなければならない。

 「超小型衛星をこう売り込めば儲かるという青写真があったわけではありません。ただ、10年ほど衛星開発を続けてきた経験から、超小型人工衛星を社会に出せば、きっと使ってくれる人がいると感じていました」

 確信だけを頼りに、手探りの営業活動が始まった。

 

起業を後押ししたウェザーニューズ社との出会い

 2008年、株式会社ウェザーニューズの技術者との出会いが転機となった。

 「ウェザーニューズで技術担当をされている方に、たまたま東大の航空出身の方がいらっしゃって、東大の研究室と共同研究を行なっていました。その方に直談判して、『ぜひ一緒に自社衛星の開発を検討させてください』と提案しました。その後、半年間にわたって意見を出し合い、ようやくプロジェクトが具体化したんです」… 続きを読む

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中村 友哉(ナカムラ ユウヤ)
1979年、三重県生まれ。東京大学大学院工学系研究科航空宇宙工学専攻博士課程修了。在学中、超小型衛星XI-IV、XI-V、PRISMの開発に携わる。卒業後、同専攻での特任研究員(大学発ベンチャー創成事業)を経て、2008年にアクセルスペースを設立。

株式会社アクセルスペースについて
■ 事業内容超小型衛星等を活用したソリューションの提案
■ 設立年月2008年8月
■ 本社所在地東京都千代田区神田小川町2-3-13 M&Cビル7階
■ 資本金1,000万円
■ 従業員数8名
■ 業種製造業
■ ホームページ

http://www.axelspace.com

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