2013.02.06 Wed

リピート率8割をたたき出す家事代行サービス会社

株式会社ベアーズ 代表取締役 髙橋 健志 氏

株式会社ベアーズ 代表取締役 髙橋健志

 

市場開拓をはばんだ「家事を外注する」抵抗感

 働く女性を中心に今注目を集め広く利用されている「家事代行サービス」。
 わずか十数年前まで、このサービスは、日本国内に存在すらしていなかった。
 シンガポールやフィリピンなどの東南アジアでは、働く女性の間で広く普及している家事代行サービスだが、日本では家事に対してお金を払う習慣もなければ、他人が家の中に入り家事を手伝うことに対する抵抗感が強い。
 類似サービスとして「家政婦サービス」があげられるが、これは富裕層の利用が主流である。一般家庭で気軽に利用できる「家事代行サービス」は皆無だった。この新たな市場は、どのようにつくられてきたのか。
 市場の牽引役である株式会社ベアーズの代表取締役 髙橋健志は、「地道な積み重ねの結果です。一人ひとりのお客様に直接お会いして、サービス内容を丁寧に説明してきた。これに尽きます。認知度が一気に高まるようなブレイクポイントは感じたことがありませんね」と歩みを振り返る。

株式会社ベアーズ 代表取締役 髙橋健志 髙橋が家事代行サービスを本格的に世に広めようとした1999年、最も悩んだのは価格設定だった。
 市場が存在しないため、どれくらいの値付けが妥当なのか検討もつかない。そこで、約1,000人を対象にアンケートをとり、「2時間当たり4,980円」という料金を割り出した。豊富なマーケティング費用があったわけでない。知人を中心に足で情報を集め続けた。
 リサーチは徹底的にした。値付けには絶対的な自信がある。それにも関わらず、サービスを開始しても、思うように利用者が集まらない。

「家事代行サービスと打ち出しても、そもそも家事を外注する概念がないからお客様はその内容がイメージできない。それ以前に、スタッフ募集をかけても、反応がほとんどない。たまに問い合わせがあると、『家事代行サービスって何でしょう』といった具合です」

 認知を広げる以上に苦労したのは、サービスの利用者である女性の「意識を変えること」だった。日本の女性は家事を外注することへの抵抗感が潜在的にある。これを覆すのは容易ではなかった。
 ここまでハードルが高かった市場開拓。それにも関わらず撤退しなかったのはなぜか。

「私は、概念は必ず変えられると信じていました。昔は、お金を出して水を買うなんて考えられなかった。でも今は、ミネラルウォーターを買うのは当たり前になっていますよね。近視眼的に世の中をみると、概念は変わらないもののように見える。でも長い目で見れば、モノの見方や捉え方概念はどんどん変わっているのです」

 徐々に利用者やスタッフが増えはじめても、問題は山積していた。広域エリアでサービス提供をしていたため、両者を効率的にマッチングできない。利用者はいるのに、近隣のスタッフを確保できない。逆に、スタッフは確保できても、近隣に利用者がいない。
 この非効率が解消されはじめたのは、サービス開始から約5年後のことだった。

 

香港で見た、一般家庭がメイドを雇うのが当たり前の風景

 「家事代行サービス」のアイデアは、香港に住んでいた時の体験から生まれたものだ。… 続きを読む

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髙橋健志(タカハシ ケンジ)
1969年、東京都生まれ。1995年、妻と共に香港の商社で勤務し、メイドサービスを利用。帰国後、香港同様のメイドサービスを探したが、当時の日本に同様のサービスがないことを知り、1999年、家事代行の株式会社ベアーズを起業。「お客様感動度120%への飽くなき追求」を座右の銘とし、家事代行サービス産業の確立を目指している。

株式会社ベアーズについて
■ 事業内容家事代行サービス(ロイヤルメイドサービス)
ハウスクリーニング(ロイヤルハウスクリーニング)
キッズ&ベビーシッターサービス
ファミリーサポート(介護支援)サービス
ホテル清掃サービス
マンションコンシェルジュサービス
オフィス・店舗・ビル清掃サービス
■ 設立年月1999年10月
■ 本社所在地東京都中央区日本橋蛎殻町1-34-5
■ 資本金8,950万円
■ 従業員数110名(登録スタッフ数4,300名)
■ 業種家事代行サービス
■ ホームページ

http://www.happy-bears.com/

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