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ものづくり探訪
2019.03.06

「チョコボール」は発売50年を越えてもなお進化し続けていた

チョコボール(森永製菓株式会社 小山工場)

 森永製菓株式会社の「チョコボール」は50年以上の歴史を持つが、その中で密かに進化を続けていることはあまり知られていない。

 しかし、チョコボールは、チョコレートとピーナッツという素材も、人気キャラクター「キョロちゃん」のパッケージも、クチバシ型の取り出し口も、エンゼルマークを集めると「おもちゃのカンヅメ」が必ずもらえるキャンペーンも、いまも昔も変わらない。それら以外の部分で、さまざまな変化を遂げているというのだ。

 その真相を探るべく、チョコボールを生産する同社の小山工場(栃木県小山市)を訪ねた。

 

チョコボールがロングセラーになった3つの理由

 小山工場を紹介する前に、チョコボールができるまでの歴史を振り返ってみたい。そもそもチョコボールは、1965(昭和40)年に発売されたお菓子「チョコレートボール」に端を発する。

 チョコレートボールのパッケージには、当時人気だったアニメのキャラクターが描かれていた。いわゆる期間限定のタイアップ商品だったため、アニメの終了とともに販売も終えることになる。しかし、手応えを感じた森永製菓は、商品開発を続行する。

 現在のチョコボールのようなスタイルになったのが、1967(昭和42)年のこと。当初の商品名は引き続きチョコレートボールだったが、1969(昭和44)年、親しみやすさを出すためにチョコボールへと改名。ピーナッツ味とソフトキャラメル味の2種類を発売すると、これが子どもたちから支持され、以後、50年以上の歴史を持つロングセラー商品となった。

 森永製菓によれば、チョコボールがロングセラーとなった背景として、3つの要素があるという。

 1つめの要素は、オリジナルキャラクターの「キョロちゃん」だ。このキャラクターは、発売当時のパッケージ上部にあるフタを引き上げるとクチバシが現れる、ユニークな取り出し口の形状が小鳥に似ていることから誕生した。発売当初は「目つきが悪い」という声もあったそうだが、今ではアニメやゲーム、イベントなどに引っ張りだこの“愛されキャラ”へと変身している。

 2つめの要素は、発売当初から続く「おもちゃのカンヅメ」キャンペーンだ。パッケージのクチバシ部分にエンゼルマークがあれば「当たり」。金のエンゼルなら1枚、銀のエンゼルなら5枚集めて応募すれば、おもちゃのカンヅメがもらえる。何が入っているかはもらった人だけのお楽しみ。この秘密の要素、ワクワク感に購買意欲を刺激された読者も多いだろう。もちろん、時代とともにカンヅメの中身は変わり続けている。

 3つめの要素が「品質」だ。現在、チョコボールは、ピーナッツ味、キャラメル味、いちご味をレギュラー商品としてラインナップし、それらに加えて期間限定商品を発売している。さらに大きさ2.5倍の「大玉チョコボール」といった、大人を視野に入れた商品も展開している。

 これらチョコボールファミリーの全商品を生産するのが、小山工場なのだ。

 

実は今もなお”味”も進化している

 小山工場で工場長を務める塚原健氏によれば、チョコボールの“味”は、時代時代のトレンドに合わせて変えているという。

「チョコボールの味のイメージを損なうことなく、さらなるおいしさを追求するため、随時味に改良を加えています。我々が“活性化”と呼んでいる、味に大きな変化を加えるケースでは、パッケージなどで告知することもあります。それ以外の小さな改良については、告知をせずに取り組んでいます」

 新しい味は、マーケティング部門、研究所との緊密な連携によって決まる。例えば、カカオの濃厚な味わいが流行している時には、チョコレートを増量するとともに、後述するローストの時間を延ばして焼き菓子感も高めるといった調整を行う。

 チョコボールの製造責任者である若林氏は、品質のポイントについて教えてくれた。

「品質の決め手は3つあります。ピーナッツのさくさくした層(クリスプ層)の作り方、ピーナッツへチョコレートを綺麗にコーティングし、表面を凹凸なく、滑らかにする技術、そしてピカピカの光沢あるチョコボールに仕上げる!この3つが組み合わさり、見た目も良く、味も良い、当社のおいしい「チョコボール」が完成します」

 

 

 

 

チョコボールは「回転」の連続から生まれる

 ここでチョコボールが実際にどのように作られているのか、その生産工程をみていこう。… 続きを読む… 続きを読む

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森永製菓株式会社について
■ 事業内容 菓子(キャラメル・ビスケット・チョコレート等)、食品(ココア・ケーキミックス等)、冷菓(アイスクリーム等)、健康(ゼリー飲料等)の製造、仕入れ及び販売
■ 設立年月 創業 1899(明治32)年8月15日
■ 本社所在地 〒108-8403 東京都港区芝5-33-1
■ 従業員数 1,303名
■ ホームページ

https://www.morinaga.co.jp/company/

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