2018.05.30 Wed

穀物取扱量日本一の昭和産業に課せられた使命とは

昭和産業株式会社 鹿島工場

 “国際バルク戦略港湾”という言葉をご存じだろうか。これは、資源・エネルギー・食糧などの特定貨物を大量に輸入する拠点として国が選定した港湾のことだ。海外から一度に大量の物資を低コストで輸送できる大型船が接岸できるため、効率的で低コストな輸入を安定的に行う狙いがある。

 茨城県の南東部に位置する鹿島臨海工業地帯が穀物の国際バルク戦略港湾に選定されたのは、2011(平成23)年のことである。この地に、食品メーカーとして日本一の穀物取扱量を誇る、昭和産業株式会社の鹿島工場がある。東京から80km圏内という地の利を生かし、世界から選び抜いた穀物を加工し、首都圏を中心に日本中に届ける同社のものづくりは、どのように行われているのか。その最前線を訪ねた。

 

「穀物ソリューション・カンパニー」の工場内は何もかもが巨大だった

 東京駅から高速バスで東へ1時間30分ほど走ると、田んぼや畑が広がる向こうに、青空めがけてそびえ立つ幾本もの煙突が見えてくる。日本最大級のコンビナートである鹿島臨海工業地帯だ。

 その中で、昭和産業の鹿島工場は、港の中央という一等地にある。鹿島工場の敷地に足を踏み入れると、まずスケールの大きさに驚かされる。

 東京ドーム5個分に相当する敷地(約24万4,000㎡)には、全長約230mの超大型船も接岸可能な自前のバース(桟橋)がある。しかもそのバースには、船から穀物を吸い上げる「アンローダー」という設備が3基体制で運用されており、1時間に1,800トンの荷揚げを可能にしている。船から荷揚げした穀物を保管する巨大サイロは、8階建てのビルに相当する地上40mという高さがあり、収容能力は約20万8,000トンにもなるという。

 工場は巨大サイロとベルトコンベアでつながっており、小麦・大豆・菜種・トウモロコシから、小麦粉・植物油・糖製品の生産を行う。同一の生産拠点でこれらの穀物を扱うケースはめずらしいというが、これには理由がある。

 それは、コスト削減と効率化のためだ。原料調達の際に多種多量な穀物を扱い、大型船に一度に大量に積み込むことで、輸送コストの削減が可能となる。同時に、昭和産業として貨物の占有率を高めることで、大型船と交渉しやすい状況をつくり、鹿島工場に接岸するタイミングが調整できるというのも大きな利点だ。

 さらに、同一拠点に製粉・製油・糖質の工場を配置することで、大型船から荷揚げした穀物を他拠点にある工場へ輸送する手間とコストを省くのである。

 1973(昭和48)年に誕生した鹿島工場は、こうしたスケールメリットを生かしながら、食品メーカーとして日本一の穀物取扱量を誇る昭和産業の主力工場として発展。現在では約530名の従業員とともに年間200万トン(2017年度実績)の穀物を取り扱い、昭和産業全体における2/3の生産量をカバーしている。

 

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昭和産業株式会社について
■ 事業内容小麦粉、植物油、糖化製品、二次加工食品などの製造販売、配合飼料の販売、倉庫業、不動産の賃貸
■ 本社所在地〒101-8521 東京都千代田区内神田2丁目2番1号(鎌倉河岸ビル)
■ 従業員数単体:1,168名/連結:2,139名(2018年3月31日現在)
■ ホームページ

http://www.showa-sangyo.co.jp/

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