2016.11.02 Wed

世界の「ガンプラ」が国内生産を貫く理由

ガンプラ(株式会社バンダイ バンダイホビーセンター)

 累計売上が約4億6,000万個(2016年3月時点)を誇るバンダイの「ガンダムシリーズ」のプラモデル「ガンプラ」。1980(昭和55)年、「機動戦士ガンダム」の世界観を忠実に再現したプラモデルとして発売され、2015(平成27)年度は約1,500万個を世に送り出している。

 その売上高全体に占める海外比率は約3割に上り、グローバルブランドともいえるガンプラだが、その生産はすべて静岡県にある「バンダイホビーセンター」が担っているのをご存知だろうか。なぜバンダイは、海外生産を行わず、同センターで頑なに国内生産を貫いているのか。その秘密を探るために、現地へおもむいた。

 

プラモデル王国で異彩を放つ「バンダイホビーセンター」

 静岡県の名産品としてまず頭に浮かぶのは「お茶」だろう。実際に、静岡県は茶葉の生産量が依然として日本一であり、約4割のシェアを占めている。ところが、静岡県にはもうひとつ国内で94%というダントツのシェアを誇る名産品がある。

 それがプラモデルだ。静岡はもともと木材加工が盛んに行われており、優秀な職人が全国各地から集まっていた。戦前は学校で使用される飛行機の木製模型が静岡で製造されていたが、戦後に販売が禁止されると、各メーカーは木製模型からプラモデルへと転換。この結果、静岡はプラモデル製造の一大産地となった。

 そんな“プラモデル王国”の中でも、ひときわ異彩を放つのが、株式会社バンダイが誇るプラモデルの生産拠点「バンダイホビーセンター」だ。2006(平成18)年に稼働を開始した同センターは、もともと3か所に分散していた企画開発部門、生産部門、倉庫部門を、生産・改善活動の迅速化、部門間の連携に向けて統合。バンダイのホビー事業部が展開するプラモデルの企画・開発・試作・製造までを一貫して行っている。

 バンダイホビーセンターは、静岡市の中心地から私鉄の静岡鉄道に乗り、東に6分ほど進んだ長沼駅の眼前にある。宇宙ステーションのような、工場らしからぬ近未来的な外観に驚かされる。

 バンダイホビーセンターの建物外壁の高さは初代ガンダムの高さと同じ18メートル。壁面には同作品に関わるエンブレムやイラストなどが掲出されるなど、バンダイホビーセンターはガンダムの世界観を徹底的に踏襲したデザインになっている。ソーラーパネル、雨水の再利用システムなども採用し、外観のみならず機能的にも宇宙ステーションを彷彿とさせる構造だ。

 入口を抜けたロビーはショールームになっており、時系列に沿って展示された歴代のガンプラが出迎えてくれる。さらにセンター内の扉、生産設備のカラーなど、建物内には随所にガンダムテイストが散りばめられている。なお従業員の制服も地球連邦軍テイストになっており、この徹底したこだわりこそが、ファンに「ガンプラの聖地」と呼ばれる由縁である。

株式会社バンダイ バンダイホビーセンター

 バンダイホビーセンターはガンプラをはじめ、バンダイホビー事業部が手がけるすべてのプラモデルの企画開発・設計・製造を行っている。随時、一般と団体の見学申し込みを受け付けているが、つねに競争率は20~30倍だという。なお、工場見学のお土産として廃棄素材を再利用したプラモデル「エコプラ」がもらえ、同センターでしか購入できないレアな商品も用意されている。

 

プラモデルの進化を支える技術力

 「技術の進化発展」「地球環境との共生」「感動創造」という3つのテーマを掲げて、バンダイホビーセンターは誕生した。ここでは進化発展し続けるバンダイホビーセンターの技術について紹介しよう。… 続きを読む

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株式会社バンダイについて
■ 事業内容玩具、カプセルトイ、プラモデル、カード、食玩・菓子・食品、アパレル、生活用品の開発・製造
■ 設立年月1950(昭和25)年7月5日
■ 本社所在地〒111-8081 東京都台東区駒形1-4-8
■ 資本金100億円
■ ホームページ

http://www.bandai.co.jp/

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