今回ご紹介するのは、積水化学グループから生まれた住宅ブランド「セキスイハイム」の工場だ。セキスイハイムは、“ユニット”と呼ばれる直方体の鉄骨構造体を組み合わせ、強固な住まいをつくるユニット工法を採用した工業化住宅を1971(昭和46)年に発売した。以来、住まいの大部分を工場でつくるという画期的なコンセプトのもと、住まいをつくり続けている。

 なぜ、セキスイハイムは“工場”での家づくりにこだわるのか?その答えを探るべく、現場へと向かった。

 

セキスイハイムが最初につくった歴史ある工場へ

 その工場は、東京駅から電車で40分ほどの距離にある埼玉県蓮田市にある。高度経済成長期以降、首都圏のベッドタウンとして発展してきたこの街には中世の城館跡が残り、市内の至るところで貝塚や住居跡などの遺跡も数多く発掘されている。それらから出土したものには、約3万年前から人が居住していたことを裏づける石器もあるという。

 遥か古の時代から人々が暮らしを営んできたこの地で、1972(昭和47)年に誕生したのが「東京セキスイハイム工業株式会社(蓮田工場)」である。工場の敷地は約94,000平方メートルと東京ドーム2個分の広さがあり、474名(2016年8月現在)の従業員が、年間およそ2,100棟の住まいを生産している。同工場はセキスイハイムが最初に建設した工場であり、全国8カ所にある生産拠点の中でも最大となる関東・甲信越エリアに住まいを供給し、これまでに15万棟を超える住まいを手掛けているという。

 “工場でつくる家”とはどのようなものなのだろうか?期待に胸を膨らませて工場に足を踏み入れると、鉄骨ユニットを組み合わせた実物大の構造体が迎えてくれた。

 柱と梁をボックス型に溶接した鉄骨ユニットは、巨大地震にも耐える強度を持つという。さらにそれを積み重ねて接合することで強靭さが増す「ボックスラーメン構造」により、セキスイハイムがつくる住まいは耐震性能の高さが大きな魅力のひとつとなっている。

 東京セキスイハイム工業株式会社の住まいづくりは、鉄骨を溶接し1個の強固なユニットをつくるところからはじまる。

東京セキスイハイム工業株式会社

 東京セキスイハイム工業株式会社では、住まいの大部分を工場でつくるセキスイハイムのこだわりを分かりやすく理解してもらえるようにと、1995(平成7)年頃から工場見学を充実させ、週末に開催される見学会では、生産ラインや展示棟の見学はもちろん、耐風実験やユニットの強度実験など体感型のイベントも実施している。要望があれば平日でも、個別でも見学可能。

 

高精度なロボット溶接で高まる耐震性能

 セキスイハイムでは、ビルや鉄塔の建築材にも用いられる、強さとしなやかさを兼ね備えた鉄骨に、サビに強い高耐食性メッキを施し、およそ140年の耐久年数を誇る鉄骨を使用している。この鉄骨をミリ単位の高い精度で強固に溶接し、天井・床・柱の部分の強靭なフレームをつくり、それをロボットによる自動溶接で巨大地震にも耐える頑丈なユニットに仕上げる。

 なかでも注目は… 続きを読む

全文(続き)を読む

続きを読むにはログインが必要です。

まだ会員でない方は、会員登録(無料)いただくと、続きが読めます。

積水化学工業株式会社について
■ 事業内容住宅カンパニー、環境・ライフラインカンパニー、高機能プラスチックスカンパニー
■ 設立年月昭和22年(1947年)3月3日
■ 本社所在地(大阪本社)〒530-8565 大阪市北区西天満2丁目4番4号、(東京本社)〒105-8450 東京都港区虎ノ門2丁目3番17号
■ 資本金100,002百万円
■ ホームページ

http://www.sekisui.co.jp

関連キーワード

ものづくり探訪 バックナンバー

合わせて読む