Bizコンパス

IT戦略を語る
2020.01.14

アプリの利用を拡大しユーザーの脳内シェアを高める

株式会社クレディセゾン 取締役CDO 磯部泰之 氏

 国内最大規模のクレジットカード会員数を有するクレディセゾンでは、社内のデジタル化が一層進められている。その牽引役であるCDOの磯部泰之氏に話を伺った。

 

DXの推進によりアジア各国でビジネスを拡大

―― 中計の基本方針に「お客さまと50年間を共に歩むファイナンスカンパニー」とありますが、デジタル化で時代が変化する中、どのような理念をお持ちですか

 今、人生100年時代といわれますよね。人生が100年だとすると、18歳から持てるクレジットカードは人生の80年近くを共にする商材といえます。長い人生において、大学を卒業し、就職し、結婚して子どもが産まれ、子離れしたらまた自分の人生を生きていく、そこに寄り添い決済やファイナンスを通じてお客さまのQOLを高めていく、クレジットカードとはそういうサービスだと思っています。

 また、当社はクレジットカードに限らずファイナンス事業ではフラット35、資産形成ローン、また保険や投資信託など、お客さまのライフイベントに合わせてお金の課題を解決する数多くのサービスを有しています。その中から最適な金融サービスをお客さまにご提案、ご提供することを目指しています。ラインナップとして足りない部分は、様々な企業とアライアンスを組むなどして、必要なソリューションを提供していきたいと考えています。

―― DXが進む中、金融ビジネスにリストラクチュアリングが起きていますが、御社の方針を教えてください

 スマートフォンの普及により、お客さまのライフスタイルが変化する中、我々もクレジットカードだけではなく、すべてのサービスにおいて変革を求められています。

 今期社長に就任した山下も、スピード感を持ってどのように変化するかが重要と考えており、そのキーワードとしてDXを全社的に推進することを掲げています。その方針に沿って、期中の10月に大きな組織変更を行いました。私がCDOに就任し、そして、クレジット事業部を管掌することになったのもこのタイミングです。

 クレジット事業部は、債権リスクマネジメント全般を統括する部門で、カード事業における背骨といえる部分です。クレジットカードは、お客さまの申告情報に基づき、信用を創造してクレジットラインを決めます。無担保のファイナンスはまさにゼロから価値を生む情報産業であり、「データ命」のビジネスといえます。

 しかし、私はこの背骨の部分が昨今の技術トレンドに沿って進化していないと感じていたので、自ら希望してDXの推進役をさせていただきました。会社の背骨が変わると、当然マーケティングもプロダクトも変わります。また、このDXを進めることは、アジアにおけるFintech推進においても大きな意味があります。

―― 中計ではアジアでの事業展開について「種まきから収穫期へ」と書かれていますね。

 アジアで先行しているのは、ベトナムの大手銀行と共同出資したリテールファイナンスカンパニー「HD SAISON Finance」です。また、先日事業に必要なライセンスが下りたインドでは、デジタルレンディング事業をスタートします。
アジアではアンバンクド層が多く、信用情報が発達していないなか、どうやって新しい与信の仕組みをつくり、リスクを抑えながら融資していくか、様々なプレーヤーによる取り組みが活発化しています。

 一方、タイやシンガポールは金融先進国でレッドオーシャン化しており、ミャンマーはその対極ですが、成長スピードは異常なほど早く種まきをしているつもりが、あっという間に花が咲くこともあるので、柔軟に戦略を練らなければいけません。

 もちろん、投資や事業参入の最終的な決裁は東京で行いますが、全ての判断材料を揃えられる訳ではありません。やはり現地からの情報が重要なので、現地の企業やベンチャーと組んだり、合弁会社をつくったりして、現地の人々とのコミュニケーションを密にするよう意識しています。人、もの、資金が有限な中、スピード感を持ってチャンスを逃さないよう、どのようにリスクとリターンの最適なバランスをとるかが、アジアビジネスのポイントです。

 

会員のビッグデータを提携企業とのビジネスに活用

―― クレジットカード会員のデータをベースにした「セゾンDMP」を構築された目的を教えてください… 続きを読む… 続きを読む

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磯部 泰之(いそべ やすゆき)
1992年入社。2018年から取締役を務め、現在はCDOクレジット事業部 管掌(兼)デジタルイノベーション事業部、カードファイナンス部、アライアンス開発部、ポイントビジネス部、データビジネス部を担当

◎情報収集方法
新聞各紙、ベンチャーおよびマーケティング系サイト、ニュースサイト、多様な業界関係者と会う
◎コミュニケーション方法
忙しそうにせず、難しい顔をしない。自分から積極的に話しかける
◎ストレス解消法
子どもたちと過ごすこと

株式会社クレディセゾンについて
■ 事業内容 ペイメント・リース・ファイナンス・不動産関連ほか
■ 設立年月 1951年5月1日
■ 本社所在地 東京都豊島区東池袋3-1-1 サンシャイン60・52F
■ 資本金 759億29百万円
■ 業種 その他金融業
■ ホームページ

https://corporate.saisoncard.co.jp/

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