Bizコンパス

IT戦略を語る
2019.12.03

機械学習を駆使して、もっと料理で人を豊かにしたい

クックパッド株式会社 研究開発部部長 原島 純 氏

 全世界で月間約9,600万人が利用するレシピ投稿・検索サービス「クックパッド」。同社の原島氏に機械学習の取り組みや料理における人とテクノロジーの共存について伺った。

 

最新の研究成果をベースにクックパッドの新サービスを開発

―― 研究開発部は2016年に新設されたとのことですが、どんなテーマで研究開発をしているのですか

 以前から事業部内で先進技術を活用したサービス開発に取り組んでいましたが、事業という制約を外して広範囲な研究開発をするために研究開発部が新設されました。部のミッションは、食やレシピに関する最新の研究成果に基づいて、他部署と一緒に「クックパッド」の新たなサービスを企画・開発することです。

 今、取り組んでいる主要な研究テーマは機械学習に関するものが7割、残り3割が IoT に関するものです。前者はユーザーさんから投稿いただいたレシピのタグづけなど、後者はスマートキッチンサービスやスマートスピーカーサービスのサポートですね。

―― レシピのタグづけに機械学習を導入した理由を教えてください
クックパッドではレシピを投稿する際の手間を減らすため「肉料理」「パスタ」「スイーツ」など料理のカテゴリー分類まで登録することを求めていません。

 ですが、レシピ量が増えてくるとカテゴリー分けされていたほうがレシピを検索する際は使いやすいということになり、2014年頃から機械学習を使ってレシピに対するタグづけを始めました。クックパッドのレシピは300万品を超えるので、人手でタグづけするわけにはいかず、機械学習を導入しました。

 

観葉植物をサラダと認識するディープラーニング

―― ディープラーニングも使っているそうですが、どのような領域で使っているのですか

 2016年にユーザーさんがスマートフォンで撮影した画像から、料理の写真だけを選びカレンダー形式で記録する「料理きろく」というサービスを始めました。画像に写っているものを当てるのはディープラーニングの得意分野なので、そういった領域で使っています。

―― 料理かどうか判別するのは難しいのですか

 難しかったです。当初ディープラーニングが観葉植物の画像をサラダと認識したり、赤ちゃんやペットの画像を料理と判定してしまったりして、このままだとユーザーさんに不愉快な思いをさせてしまうということで、誤認の可能性が高い画像を大量に集めて何度も学習させて精度を高めました。最終的には精度97、8%まで達しました。

―― ほかにもディープラーニングで苦労したエピソードはありますか

 材料の正規化も苦労しましたね。クックパッドはCGM(Consumer Generated Media)で、ユーザーさんが自由に材料や手順を入力してくださるので、「醤油」だけでも「しょう油」「ショウユ」「しょうゆ」とか100種類ぐらいバリエーションがあるんですよ。それが全部同じ「醤油」と認識するタスクをディープラーニングにやらせました。

―― データベース上で全部同じ言葉だと定義すればいいのでは

 それはそうですけど、それがなかなかできないんです。なぜなら… 続きを読む… 続きを読む

続きを読むには会員登録が必要です

原島 純(はらしま じゅん)
京都大学で情報学の博士を取得した後、2013年にクックパッドに入社。サービス開発部門を経て2016年より研究開発部門に所属。レシピの解析や検索、分類などを研究し、2017年1月から研究開発部部長に就任。以降現職。

◎情報収集方法
足で稼ぐ。異業種のWebサービスを担当するリーダーらと意見交換
◎コミュニケーション方法
1on1 や日々の雑談など
◎ストレス解消法
料理

クックパッド株式会社について
■ 事業内容 料理レシピ投稿・検索サービス『クックパッド』の企画・運営、そのほか関連事業
■ 設立年月 1997年10月1日
■ 本社所在地 東京都渋谷区恵比寿4-20-3恵比寿ガーデンプレイスタワー12F
■ 資本金 5,286,015千円(2018年12月末)
■ 業種 サービス業
■ ホームページ https://info.cookpad.com

SHARE

関連記事

閲覧ランキング