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IT戦略を語る
2019.08.26

CROWDとAIでスポーツの未来を変えるインフォノイド

株式会社ミンカブ・ジ・インフォノイド 代表取締役社長 瓜生 憲 氏

 AIとCROWDを活用した金融メディアを展開するミンカブ・ジ・インフォノイド。スポーツ情報やソリューションでも独自の価値を創出する同社のIT戦略を瓜生社長が語る。

 

CROWDとAIを武器に価値を生み出す“インフォノイド”

―― 社名変更の意図を教えて下さい

 当社は、月間ユニークユーザー約700万人が利用する投資家向け金融情報メディアを運営している会社です。同規模のユーザー数を誇るメディアは他にもありますが、国内の投資家人口が約1千万人の中で約700万人に利用されており国内最大規模と自負しています。

 我々を“金融情報屋”と見ている方が多いと思いますが、創業以来、我々がやってきたのはCROWD(集合知及びその収集ノウハウ)とAIをつなげて情報を自動生成するサービスであり、たまたま金融情報メディアでスタートしましたが、金融に特化しているわけでありません。

 2019年3月の上場前に社名を変えたのは、我々の事業ドメインは情報サービスにあるとあらためて伝える狙いがあったからです。そのために情報(Information)に、拘る者(Noid)という言葉を組み合わせて“Infonoid(情報に拘る者)”という造語をつくり、社名につけました。

―― AIによるコンテンツ生成が御社メディアの特徴だと思いますが、他社のAIとの違いは何ですか

 我々は、今のようにAIが騒がれるずっと前から商用にAIを利用してきました。そもそも、なぜ我々がAIを使いはじめたのかというと、リーマンショック後にコンテンツをつくる人材が採用できず、テクノロジーで自分をもう1人つくろうと考えたことがきっかけでした。そういった経緯でAIの自動生成をはじめ、徐々にいろいろな技術を取り込み、現在のポジションに達しました。

 今、AIを担いでいる人たちは「イノベーターになろう」とか、「技術革新しよう」とか、最先端技術をフル活用して人間と同じことをやらせたがる傾向があります。それを本気でやろうとするから開発予算が膨らみ過ぎ、いつまでたっても完成しないのです。何でもかんでもディープラーニングや自然言語解析等の先端技術を入れるのは、エンジニアの開発欲求が前面に出過ぎていて、ビジネスの視点が薄れています。

 極端にいうと、AIの開発は手段であり、開発自体が目的でありません。企業としては、AIも商用化しなければ意味がないと思っています。だから、我々はその利用目的により、必ずしもフルオートに拘らず、セミオートも使い、ハイブリッドで情報を生成するケースもあります。その見極めができるから開発のハードルが下がり、費用を抑制し、早くローンチできるのです。

―― フルオートとセミオートの線引きは、どうやって決めるのですか

 たとえば、決算情報の場合、その数値的な結果やその意味合いを表現するのであれば、フルオートを選択し、速報性と網羅性を重んじたAIの強みを生かします。また、シンプルな業態なら同じくフルオートで生成も容易ですが、グローバルなコングロマリットの決算は複雑なので、フルオートに拘ると開発費が嵩んだり、本来の目的である網羅性を欠く可能性があるため、セミオートにした方が簡単です。その線引きは、目的が何かによります。我々の目的は言語解析ではなく、人を介さずに速報性、網羅性、正確性を兼ね備えたレポートを出すことなので、セミオートがその目的に沿うならそちらを選択するというだけです。

 難しい処理を100%自動化しようとした瞬間、AIが使えなくなるケースはよく聞きますね。長い目で見れば、フルオートにチャレンジする方が正しいかもしれませんが、我々の目的は商用利用なので、そこにばかり拘りません。AIを構成する全てのパーツの開発にコストや人材を割いても、いずれGoogleさんやAmazonさんが自然言語解析のエンジン等、汎用性の高いパーツをオープンソース化しますから、それらを必要なタイミングで独自開発パーツと組み合わせる形で採用すればいいと割り切っています。

 

蓄積した集合知をAIで分析して価値を生み出す

―― 御社のもうひとつの武器であるCROWDインプットについて教えてください

 そもそも金融市場のプライスメイキング自体、買い手と売り手で価格が決まる集合知の世界なんです。CROWDインプットは、マーケットメイキングと同じ原理なので親和性があるのは当然です。

 今、我々は集合知をメディアサービスだけではなく、「Sales-Cue」という金融機関向けの営業員支援用情報端末として提供しはじめています。

このサービスを始めた理由は、2つあります。ひとつは… 続きを読む… 続きを読む

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瓜生 憲(うりゅう けん)
米ボストン大学卒業後、NTTドコモのIRを経て金融業界に転身。証券アナリストとしてゴールドマンサックス等で活躍。総務省の災害情報社会システム構築プロジェクトに参加後、2006年に当社を創業。2007年に予想評価システムで特許取得。2008年に総務省の次世代高度IT人材モデルキャリアに選出

◎情報収集方法
経営者の友人が発信するFaceBookやInstagramの情報
◎コミュニケーション方法
SLACKの社内グループチャンネルに参加し、社員が何に関心を持っているのか把握するとともに、フランクに話しかけてフラットな関係性を築く
◎ストレス解消法
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株式会社ミンカブ・ジ・インフォノイドについて
■ 事業内容 メディア事業・ソリューション事業
■ 設立年月 2006年7月7日
■ 本社所在地 東京都千代田区神田神保町3-29-1
■ 資本金 1,558百万円
■ 従業員数 88名(2019年6月1日時点)
■ 業種 情報通信
■ ホームページ

https://minkabu.co.jp/

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