2016.08.18 Thu

AIによる空調設備診断技術は22年前に完成させました

株式会社テクノ菱和 取締役 技術開発本部長 システム室長 松橋 秀明 氏

 空調設備の設計・施工・メンテナンス事業を行うテクノ菱和は、22年前にAIを用いた空調設備診断技術を開発していた。同社のIT戦略を取締役システム室長の松橋秀明氏が語る。

 

ICTとモバイルを活用して「攻めのIT」を推進

―― 事業の概要と強みを教えてください

 当社は、産業用空調、冷暖房、給排水・衛生設備等の設計・施工管理を主たる事業とする設備工事会社です。

 当社の強みは産業用空調です。空調といってもオフィスや商業施設、医療・福祉施設、生産・エネルギー施設など、施設により求められる設備はさまざまです。当社では、人間にとって快適な室内環境づくりから、製品・設備が要求する厳密な温湿度環境づくりまでニーズに応じて空間を最適化する設備を提供しております。

 その中でもクリーンルームは、創業当初から手掛けてきた得意分野で、最先端の電子デバイス製造に対応したスーパークリーンシステムのほか、医療・実験施設におけるバイオロジカルクリーンシステム、食品分野におけるHACCP対応システムまで多彩な実績を有しています。

―― 事業におけるIT活用の方針はありますか

 中期3カ年事業計画で5つの柱を定めており、その柱のひとつにICTとモバイルを活用した業務の改善を掲げています。「守りのIT」「攻めのIT」という言葉がありますが、当社が目指すのは「攻めのIT」です。特に、工事現場や設備のメンテナンスなど社外で仕事をする技術者や営業マン、さらに協力業者さんを対象に、ICTを活用して付加価値を創出する取り組みを進めています。

 

作業員の生体データを収集して事故を防ぐ仕組みを

―― 具体的なIT活用の例を教えてください

 私どもでは、社内技術者の4分の1をメンテナンス部門に配置しています。これはお客さまに納めた設備を保守・メンテナンスし、ライフサイクル全般にわたる信頼性を担保することを重視しているからです。そのメンテナンス部門の業務を支援するために、タブレットを使ったシステムを開発しています。

 IT活用に関するもうひとつの方向性は、現場における安全の確保です。工事現場では品質、コスト、納期という三つのバランスが求められますが、その基盤に安全がなければいけません。

 現場の安全は人と仕組みの両面からアプローチする必要がありますが、これまでは人への依存が大きかったと考えています。しかし、昨今現場の作業者が高齢化し、人手不足も深刻化しているため、このまま人に依存していると、安全の担保がより難しくなると予想しています。そこを仕組みでカバーするためにウェアラブルデバイスやIoTといった技術が活用できると考えています。

 たとえば、夏の現場は暑さが厳しく熱中症などの事故が起きがちです。現場で作業する人たちの身体データをウェアラブルデバイスなどで収集して健康管理を行う仕組みがあれば、事故を未然に防げるかもしれません。こうした安全へのITの活用は、当社だけではなく、業界全体で取り組まなければならないテーマです。

 ほかにもスマホやタブレットを活用して、社外で働く社員に迅速に情報提供を行えるソリューションについても、全社で議論しながら開発を進めています。

―― 現地の保守メンテナンス担当者がタブレットで部品の在庫や納期を調べ、そこから発注するような仕組みもありますね

 すでに当社もそのような仕組みを取り入れています。他にも、メンテナンス完了時のサインをタブレットに直接書いていただき、そのまま電子メールやFAXで送信する仕組みも実装しました。しかし、こうした部分的な機能を提供するだけだと、現場から… 続きを読む

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松橋 秀明(まつはし ひであき)
1955年、長野県出身。1979年、テクノ菱和入社。技術本部技術開発研究所長、取締役環境ビジネス本部長、取締役技術本部長を歴任し、2013年より現職
◎情報収集方法
日経電子版。メルマガ等で気になるセミナーや展示会があれば参加する
◎コミュニケーション方法
Face to Face
◎ストレス解消法
ピアノ、ゴルフ

株式会社テクノ菱和について
■ 事業内容産業用空調、冷暖房、給排水・衛生設備等の設計・施工管理等
■ 設立年月1949年12月23日
■ 本社所在地東京都豊島区南大塚二丁目26番20号
■ 資本金27億4,680万円
■ 従業員数660名(2016年3月31日現在)
■ 業種建設業
■ ホームページ

http://www.techno-ryowa.co.jp/

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