駅や電車で展開される交通広告を中心にメディア戦略を仕掛けるJR東日本企画のIT戦略を、取締役 経営企画局長の田中友行氏が語る。

 

駅や電車の中がデジタル化

―― 事業概要を教えてください

 当社は、国鉄改革後にJR東日本が設立した第一号の戦略的子会社です。現在の主な事業は三分野に分かれていて、それぞれ3分の1づつの売上構成となっています。一つ目はJR東日本グループのハウスエージェンシーとして、「大人の休日倶楽部」や「JR SKISKI」など旅行や鉄道利用を喚起する広告の企画・制作をはじめ、「ルミネ」や「アトレ」に代表される駅ビルなどのショッピングセンターの広告や販売促進などを事業領域とする分野。二つ目は、JR東日本の駅や車両内の空間を広告媒体として使う事業分野。三つ目は、JR東日本グループ以外のお客さまからの広告企画・制作を手掛ける事業分野です。

―― 広告会社としての強みはどこにありますか

 駅や車両内の広告媒体を直接所有・管理し、そこに広告素材を発信できることが強みです。駅や車両など、いわゆる交通広告は公共空間で情報発信されるため、テレビやラジオ、新聞など家庭内で見る媒体と比べて、より多くの人たちの間で共有され、話題になりやすいという特徴があると言われています。こうした媒体に昨今伸張著しいインターネット広告などを組み合わせることで、持っている強みをさらに磨いていく考えです。

―― 御社のIT戦略を教えてください

 当社におけるITは、デジタルマーケティング、広告素材伝送方法の進化、そして社員の働き方という三つの領域での活用があると考えています。

 デジタルマーケティングの世界は日々進歩し、いまや顧客のあらゆる情報をデジタル化して管理する流れにまでたどり着いています。すべてのクライアントの間で浸透しているという状況ではありませんが、業種・業態によってはその進展が急速に進んでいることもあり、広告会社もその流れに対応した展開をしてきました。

 当社は、どちらかというと、この分野では後発ですので、先行するプレーヤーと提携し、当社の強みを活かして、競争力のある分野を築いていければと思っています。まずはインターネット広告関連の業務を切り出し、株式会社ゴンドラ、株式会社TWENTY FOUR、株式会社ビーマップと共同出資で、2016年4月にjekiインタラクティブ・コミュニケーションズという専業会社を立ち上げました。今後も広く提携先を募りながら、当社の強みを活かしたデジタルマーケティングに取り組みたいと考えています。

 次に、伝送方法の進化ですが、たとえば駅や車両内の広告媒体が紙のポスターからデジタルサイネージへ進化し、さらに最初は静止画だったのが動画に替わり、近年はスポーツ中継のハイライトをタイムリーに配信したりと、先進のIT技術を活用して、これまでにはない新たな取り組みを進めています。この展開には今後もITをどんどん取り入れていく必要があります。

 一方で、広告素材をデジタル端末に伝送する、という意味では、… 続きを読む

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田中 友行(たなか ともゆき)
1967年、1967年神奈川県出身、1990年JR東日本入社、鉄道事業の現業や人事・総務系等の部署を経て、駅周辺の大規模開発計画を担当、2013年から現職

◎情報収集方法
新聞の熟読が基本。Web、雑誌、セミナーなども活用
◎コミュニケーション方法
物事はすべて多面的に捉えられることを意識し、相手と同じ土俵に立ちながら意思疎通するよう心がけている
◎ストレス解消法
ストレスは溜まらないが、趣味としてはゴルフやサイクリング

株式会社ジェイアール東日本企画について
■ 事業内容広告企画・制作/マーケティング・リサーチ&プランニング/セールス・プロモーション/スポーツイベント/各種メディア・マーケティング/交通広告媒体開発・管理/デジタルビジネス/コンテンツビジネス/ソーシャルビジネス
■ 設立年月1988年5月9日
■ 本社所在地東京都渋谷区恵比寿南1丁目5番5号 JR恵比寿ビル
■ 資本金2億5,000万円
■ 従業員数839人(2016年4月現在)
■ 業種サービス業
■ ホームページ

http://www.jeki.co.jp/

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