2016.04.07 Thu

生き残りを賭けた経営統合の成否を握るIT戦略

ジャパン マリンユナイテッド株式会社 技術総括部長 島崎 克教 氏

 造船業界をリードしてきた企業同士の経営統合により誕生した、日本を代表する総合造船企業ジャパン マリンユナイテッド。同社のIT戦略を技術総括部長の島崎克教氏が語る。

 

業界を代表する企業間の経営統合で誕生した国内最大の総合造船企業

―― 事業の概要を教えてください

 弊社は、2013年1月にユニバーサル造船とアイ・エイチ・アイ マリンユナイテッド(以下、IHIMU)が経営統合して誕生した総合造船会社です。両社が有する設計・開発力、豊富な建造実績による高い技術力等の強みを生かし、商船、艦船、海洋・エンジニアリング、ライフサイクルという4つの事業分野でグローバルなビジネスを展開しています。

―― 統合に伴ってシステムも統一したのですか

 3年前に経営統合しましたが、生産現場、システム、業務プロセス、いずれも統合前の環境が残っており、まだ本当の意味でひとつになれたとはいえない状況です。歴史を遡りますと、ユニバーサル造船は日本鋼管と日立造船の船舶部門が経営統合した会社であり、IHIMUはIHIの船舶部門と住友重機械工業の艦艇部門が最終的に統合してできた会社ということもあり、事業所ごとにさまざまなハードやソフトが異なっています。クレーンの能力やドックの寸法などが異なるのは致し方ない面がありますが、ソフト面やシステム系はなるべく早く統一しなければならないと考えています。つまり、物理的に事業所が分かれていても、バーチャルには1つの事業所として機能させる必要があります。

―― コンテナ船からタンカー、フェリー、艦船まで扱っていますから、設計や生産管理の仕組みも相当違うのでしょうね

 社内では設計ツールが完全には統一できておらず、これが上流工程のネックになっています。たとえば、A事業所で造っている船を追加受注した場合、生産余力のある他の事業所でも造りたいのですが、ツールが異なるためA事業所の設計データが使えず、もう一度設計し直さなければならないことになります。これについては、設計部門が統一に向けて取り組んでいるところです。

 

バーチャルリアリティを活用して事前に課題を抽出

―― 事業所ごとに生産の仕方も異なるのですか… 続きを読む

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島崎 克教(しまざき かつのり)
1958年、東京出身。1983年日本鋼管に入社し津研究所に配属。2002年10月、日立造船との経営統合でユニバーサル造船発足。同技術研究所構造研究室長を経て2011年から商船・海洋事業本部スタッフに異動。2013年1月ジャパンマリンユナイテッド発足、商船事業本部スタッフを経て2015年11月より現職。
◎情報収集方法
インターネットやセミナーへの参加、人と会っての情報交換
◎コミュニケーション方法
ITとは逆行するが、メールに頼らず直接話しかけるように心がけている
◎ストレス解消法
一応ゴルフだが、逆にストレスが溜まって困っている

ジャパン マリンユナイテッド株式会社について
■ 事業内容船舶・艦艇・海洋浮体構造物等の設計、製造、販売等
■ 設立年月2013年1月1日
■ 本社所在地東京都港区芝五丁目36番7号
■ 資本金250億円
■ 従業員数約7,500名(グループ会社含む)
■ 業種造船
■ ホームページ

https://www.jmuc.co.jp/

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