数々のITプロジェクトを手掛け、どんな困難な事態に陥っても「できるシナリオ」に変えて成功を導いてきた三井食品株式会社 常務執行役員の水谷幸雄氏がIT戦略を語る。

 

売り上げ規模が10倍に拡大し、継ぎはぎだらけの基幹システムが限界に

―― 業界における御社の強みは何ですか

 我々の最大の強みは、三井物産グループが展開する食品事業の中核を担う全国卸であるということです。また、ペットフードやペット用品を扱っていることは、大手卸の中にはないので特徴といえるかもしれません。それに加えて、異質化戦略を推進し、当社独自の輸入食材や、三井食品オリジナルのプライベートブランドを展開していることも、弊社の強みといえます。

―― 御社のIT活用について教えてください

 今も20数年前に構築した基幹システムを使っていますが、売り上げ規模は当時の800億円から7,500億円と約10倍に拡大しました。規模拡大の背景には、繰り返し行われた合併があります。世間では、同じ会社になってもシステム統合が進まないケースがありますが、弊社はまじめにシステムを共通化することで、これを乗り切ってきました。

 先輩方が相当上手にやりくりしてきたのですが、さすがに売り上げ規模が10倍になったため、システム的な限界が露見し始めています。現在は、地域別に東、西、北の3つに分け、同じシステムを関東、関西の2箇所で動かしていますが、システムが分かれているがゆえの使いづらさもあるため、今後数年かけて基盤を強化していく方針です。

―― どのようなゴールを設定していますか

 2016年秋までに、現在3つに分かれているシステムが利用者からひとつに見える環境づくりを目指します。これまでやむをえずシステムを分けてきましたが、悪いことばかりではなく、少ないリソースでディザスタリカバリできるメリットもあるので、基本構成は変えない方向で考えています。

 

問題は技術ではなく、上手にルールをつくり、リードすること

―― プロジェクトを推進する上で苦労された点を教えてください… 続きを読む

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水谷 幸雄(みずたに ゆきお)
1957年生まれ。東京都出身。1980年に自動車メーカーに入社。情報システム部門に配属。ベルギーに駐在し販売システム構築プロジェクトに参加。1991年に三井物産に入社。本店、米国等で情報システム業務を担当。2014年1月から現職
◎情報収集方法
Webサイト、日経等の媒体、ベンダーや調査会社が開催するセミナーなど
◎コミュニケーション方法
現場に出向く
◎ストレス解消法
ゴルフ、テニス、旅行、ドライブ、町歩き

三井食品株式会社について
■ 事業内容食品、飲料、酒類、ペットフード等の販売、輸出入業
■ 設立年月1928年7月
■ 本社所在地東京都中央区八重洲2丁目7番2号
■ 資本金120億3,100万円
■ 従業員数1,115名(2015年4月1日現在)
■ 業種卸売業
■ ホームページ

http://mitsuifoods.co.jp/

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