2015.11.05 Thu

ホストコンピュータ不要論に異議を唱える稀代のCIO

独立行政法人 中小企業基盤整備機構 CIO 太田 好彦 氏

 国の中小企業政策全般にわたる唯一の総合的な支援機関である中小企業基盤整備機構(略称、中小機構)のIT戦略を、CIOの太田好彦氏が語る。

 

中小機構の事業を支える金融機関に準ずる堅牢なシステム

―― 事業の概要を教えてください

 中小機構という名前を聞いて、何をやっている組織なのかわかりづらいと思います。大雑把にいえば、中小企業に対して、共済事業、経営のアドバス、販路開拓、研修、ファンド事業を通じた資金面のサポートなど多様なメニューで支援をしている機関です。ファンド事業、共済事業などの金融的な事業が比較的多いため、システムについては、金融システムの品質を意識したものをつくらなくてはならないと考えています。

―― ミッションクリティカルかつ高度なセキュリティが求められるということですか

 ミッションクリティカルまではいかないかもしれませんが、システムがある程度堅牢でなくてはいけないというのはその通りです。個人情報等の重要なデータも多いので、きちんとしたセキュリティの実装も重要です。

―― IT部門のミッションを教えてください

 今までは、組織全体で使用するネットワーク、メール等の基盤に関する企画、開発、管理が中心でしたが、事業環境の変化も大きく、IT技術の発展や進化、セキュリティの脅威等に対応しなければなりません。今のミッションは、これまで各部門に任せてきたシステムの管理をIT部門へ移管し、世間一般の組織と同じようなIT部門とユーザー部門に整理することです。

―― 目的は、事業環境の変化やコスト削減ですか

 一番は、事業環境の変化を踏まえたセキュリティや技術の進化への対応ですね。IT部門も決してセキュリティや技術に強いわけではありませんが、今は技術がわかる人たちが各部門に分散していて効率的ではありませんから、これを1カ所に集めることも必要です。人材を集めれば、必然的にIT部門とユーザー部門の役割を見直す必要が出てきます。

 第一段階として、まずインフラ領域をIT部門に移管し、その上で動く業務アプリケーションは従来通り運用も含めて、ユーザー部門に任せることを考えています。そして、スタート時期はまだ決まっていませんが、第二段階では、アプリも含めてすべてIT部門へ移管する計画です。

 

システムを統一しユーザーエクスペリエンスの向上を目指す

―― 第一段階のスタートはこれからですか

 2015年4月からプロジェクトがスタートし、今後2年程度でインフラをすべて移管する予定です。第二段階のアプリ移管は、まだスタート時期が決まっていません。

―― システムを統一するには各部門にある程度の標準を示して、業務フローを揃える必要がありますね

 標準に沿った形にすると、使い勝手が変わり、使いにくくなるように見えるかもしれませんが、実際には標準化が進むと… 続きを読む

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太田 好彦(おおた よしひこ)
1959年、静岡県出身。1983年、IBM入社。研究開発職を勤めた後、金融事業部門、e-ビジネス部門、IBMビジネスコンサルティングにて執行役員を歴任。2007年、郵便局株式会社に執行役員システム企画部長として入社。2014年7月、中小企業基盤整備機構入社、以降現職
◎情報収集方法
今クールだと思う人に会う
◎コミュニケーション方法
役職名で呼ばない。こちらから出向きフェイス・トゥ・フェイスで話す
◎ストレス解消法
ガーデニングなどアナログなことで汗を流す

独立行政法人 中小企業基盤整備機構について
■ 事業内容中小企業支援、地域振興
■ 設立年月2004年 7月1日
■ 本社所在地東京都港区虎ノ門3-5-1 虎ノ門37森ビル
■ 資本金1兆1,062億円
■ 従業員数794名(2015年4月1日現在)
■ 業種独立行政法人
■ ホームページ

http://www.smrj.go.jp/

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