ベアリングを中心に自動車部品や精機製品で世界をリードする日本精工株式会社。過去最高益・過去最高売上を達成した同社のIT戦略をIT業務本部長の織戸宏昌氏が語る。

 

1兆円の物流を回せるIT基盤を構築

―― IT活用の方針を教えてください

 2013年4月にスタートし、2016年3月までを対象期間とする第4次中期経営計画で、弊社は『1兆円を支える企業基盤の確立』という目標を掲げています。これは100周年を迎える2016年に向けて売上高1兆円と、これに見合う事業戦略や経営基盤を再構築することを目指すものです。今やITは経営を支える重要な基盤ですから、私どもIT部門はこの目標に則って1兆円の物量を回せるインフラの構築を進めています。

―― どのような方向でシステムの再構築を進めているのですか

 弊社がサプライチェーンシステムを開発したのは1970年代でした。その後、海外事業が拡大する中で、IT技術者がこのシステムのコピーを持ってアメリカやヨーロッパ、アジアへ行き、現地のスタッフと一緒に各地の税制や商習慣に合うようカスタマイズして使ってきました。当時、このやり方は合理的でしたが、30年、40年経つうちにそれぞれのシステムが独自の進化を遂げ、ガラパゴス化による弊害が現れはじめました。たとえば経営に関する数字を同じ土俵で比較する事が困難な状態になってしまいました。

 それに加えて、システムが老朽化し、古いコンピュータ言語を書ける人もほとんどいなくなり、メンテナンスも難しくなりました。こうした状況を改善し、将来を見据えて基幹システムを再構築するため、10年前に構想を立てて、以来プロジェクトを進めてきました。

 構想段階では、世界共通のグローバルワンシステムを目指しましたが、シングルイメージを目指す方向へ途中から少しトーンダウンせざるをえない点も出てきました。つまり、コアのシステムやマスターは1カ所に集中して共通化し、メンテナンスもすべて一元的に行える形にするものの、各極のシステムはそれぞれで運用してもらうイメージです。このシステムは、現在国内はもちろん世界の各地域で利用がはじまっていますが、まだ、その効果の刈り取りといった点では道半ばといったところです。

 

世界共通のマスターを作成しサプライチェーンを効率化

―― 会社の屋台骨に関わるビッグプロジェクトだと思いますが、ここまでの成果と課題を教えてください… 続きを読む

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織戸 宏昌(おりと ひろまさ)
1961年神奈川県出身。1985年、日本精工入社。1995~1996年ジャカルタ工場、1999~2004年アメリカ現地法人を経て、2013年から現職
◎情報収集方法
セミナーへの参加、外部の声を数多く聞く
◎コミュニケーション方法
複数の担当部署と週次報告で意見を交換。可能な限り多くの個人と話す
◎ストレス解消法
愛犬との対話

日本精工株式会社について
■ 事業内容軸受、自動車関連製品、精機製品等の製造・販売
■ 設立年月1916年11月8日
■ 本社所在地東京都品川区大崎1-6-3 日精ビル
■ 資本金672億円
■ 従業員数31,088名(2015年3月末現在)
■ ホームページ

https://www.jp.nsk.com/

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