2015.09.10 Thu

なぜ帝人は新規事業に「眠り」を選んだのか

帝人株式会社 ITヘルスケア・プロジェクト プロジェクト・リーダー 睡眠改善インストラクター 濱崎 洋一郎 氏

 帝人株式会社は、ITを活用して睡眠をサポートする新規事業を新たに立ち上げた。その狙いや事業立ち上げの経緯をプロジェクト・リーダーである濱崎洋一郎氏が語る。

 

既存事業の延長線上にない複合領域でイノベーションを創出

―― 近年の御社を取り巻く市場環境について教えてください

 帝人グループは、2016年度を目標とする中期経営計画を2012年に策定し事業を推進してきましたが、市場ニーズの複雑化・多様化および商品ライフサイクルの短期化、グローバル競争の激化による素材全般の需給バランス失調、医療費抑制圧力の強まりなど事業環境の変化を受けて2014年11月に中期経営計画を修正しました。修正中期経営計画では、課題を抱えている事業を抜本的に見直す構造改革の実施と、新規プロジェクトを推進する「発展戦略」への重点的な資源投入を掲げています。

 既存事業については、「素材」「ヘルスケア」「IT」という3つの柱に事業を絞り込み、競争力を高めます。新規事業については、この3つの異なる事業分野を複合したビジネスモデルを創出し、新たな収益源として育てることを目指します。

 一般的に「成長戦略」と呼ぶべき取り組みを、「発展戦略」と呼ぶのには意味があります。これまで帝人グループでは、新規事業の企画は各事業グループに任されていましたが、このやり方では既存事業の延長から抜け出せないとの反省がありました。そこで、今回は違う段階へ飛び出すために「成長」ではなく「発展」という言葉を掲げたのです。そうは申しましても、飛び地で企画を立てるわけではありません。先ほどお話しした3つの分野の重なり合う融合領域において、今までにない商品やサービスを生み出すことを目指します。

 たとえば、2014年6月に発表した生体適合性の医療材料はヘルスケアと素材の融合ですし、関西大学さまと共同開発した布そのものがセンサーになる圧電ファブリックはITと素材の融合分野です。同様に私が担当するプロジェクトは、ITとヘルスケアの複合領域です。

―― B to Bの会社というイメージがありますが、新規事業ではB to Cにチャレンジするそうですね

 その背景には2つの理由があります。ひとつはヘルスケア事業分野を展開する帝人ファーマが、睡眠時無呼吸症候群の治療に使用する在宅用医療機器を展開していたことです。… 続きを読む

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濱崎 洋一郎(はまざき よういちろう)
1964年、東京出身。1990年、帝人に入社、医療系ITビジネスを担当。2000年帝人アメリカに異動、2002年インフォコム・アメリカ設立に参加、2005年より、インフォコムにて新規事業企画、経営企画を担当、2014年から現職
◎情報収集方法
できるだけ大きな本屋に行き、同じ領域の本を何冊も購入して読む。人に会う
◎コミュニケーション方法
社内を歩き回る
◎ストレス解消法
犬と遊ぶ

帝人株式会社について
■ 事業内容高機能繊維・複合材料、電子材料・化成品、ヘルスケア、繊維製品・流通、IT等
■ 設立年月1918年6月17日
■ 本社所在地東京都千代田区霞が関三丁目2番1号
■ 資本金70,816百万円
■ 従業員数15,780名(連結、2015年3月31日現在)
■ 業種製造業
■ ホームページ

http://www.teijin.co.jp/

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