Bizコンパス

IT戦略を語る
2015.07.09

免税ビジネスへの転換で前年比200%超の急成長

ラオックス株式会社 取締役 管理本部 本部長 兼 国内店舗事業担当 矢野 輝治 氏

 免税店に中国からの買い物客が殺到しインバウンド・マーケットを代表する“勝ち組”となったラオックス株式会社のIT戦略を、取締役管理本部本部長の矢野輝治氏が語る。

 

2015年の春節以降、中国からの来店客が想定を超えるレベルで急増

―― 御社の事業概要についてご紹介をお願いします

 ラオックスというと家電量販店のイメージが強いかもしれませんが、2009年8月に羅怡文が社長に就き、同年に中国の蘇寧電器(現蘇寧雲商)が親会社となって以降、事業の中心を免税ビジネスに転換しています。羅は日本に強い愛着を持っており、高品質で信頼できる商品と世界に誇る日本のおもてなしを「ジャパンプレミアム」として世界に発信したいと考えています。

 現在、弊社は日本最大級の総合免税ネットワークを基盤とする国内店舗事業と、メイド・イン・ジャパンの優れた商品を中国へ輸出する貿易事業、そして中国国内向けのECサイトを中心とした中国出店事業という3つの柱で事業を展開しています。

―― 近年、アジアの観光客がこぞって御社の総合免税店に来店し、その活況が大きなニュースとなりました

 我々自身も今年はお客さまが増えると予想していましたが、春節以降の来客数は想定をはるかに超えるレベルでした。現在、業界全体がインバウンド・マーケットに注目していますので、これからは競争が激化すると予想されます。

―― 競合の参入が想定される中、御社の先行優位はどこにあるとお考えですか

 ひとつはシステム面ですね。我々は旧ラオックス時代から日本の大手メーカーさんと一緒に当社独自の免税対応システムを開発してきました。これに対して他社さんはこれから新たにシステムを開発しなくてはならないので、そこは一日の長があると思います。

 もうひとつの優位性は、旧来のビジネスモデルを思い切って転換したことにあります。我々は家電量販店としての知名度を捨てて、ビジネスを全面的に方向転換したことが成功のポイントだったと思っています。競合となる量販店さんや百貨店さんがそこまで割り切った改革ができるでしょうか。その点に関しては、我々も高い関心を持って他社の動向をウォッチしています。

―― 中国との太いパイプも競争優位のポイントになっていると思いますが、いかがですか

 中国には蘇寧の店舗が1,700近くあり、非常に高い知名度を誇っています。蘇寧の傘下に入っていることは、中国での活動において、我々の信用につながっていることは事実です。また、家電商品や時計など日本で買った商品を蘇寧の全店舗で修理するサービスも、お客さまから支持されている理由だと思います。このサービスを提供しているのは、現在弊社しかありません。

 

免税店対応の独自システムを開発し顧客対応力を向上

―― 免税店では通常とは異なるシステムを運用しているのですか

 そうですね。我々の店舗では、ひとつのレジで免税処理できる独自のシステムを運用しています。ですから、お客さまを待たせることなく迅速かつ丁寧なレジ対応を行っています。おそらく百貨店さまでは、通常のレジと異なるシステムを使っているために専用の免税カウンターで対応せざるを得ず、それが行列を生みお客さまをお待たせする原因になっていると思います。

―― 免税店では、顧客のパスポート情報から購買履歴まで幅広いデータを収集できると思いますが、そのデータの分析・活用は行っていますか… 続きを読む… 続きを読む

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矢野 輝治(やの てるじ)
1958年、福岡県出身。1980年、株式会社ダイエー入社、経営計画や予算執行管理を担当。1999年、株式会社レコフ入社、M&A仲介・アドバイザー業務を担当。2000年に独立しインテグレートマネジメント株式会社に副社長として参画。2012年にラオックス株式会社入社、2014年3月取締役に就任
◎情報収集方法
必要に応じてネットや紙などさまざまな媒体を使って情報収集
◎コミュニケーション方法
メールやLINEでの報告
◎ストレス解消法
ストレスを感じないので解消法はない

ラオックス株式会社について
■ 事業内容 国内最大規模の免税店ネットワークを核とした店舗ならびにECサイトの運営、貿易事業、商品開発事業など
■ 設立年月 1930年5月
■ 本社所在地 東京都港区芝2-7-17
■ 資本金 226億円(2015年4月30日時点)
■ 従業員数 422名(アルバイト・パート除く)2014年12月時点
■ 業種 小売業
■ ホームページ

http://www.laox.co.jp/

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