海外売上比率70%超のグローバルカンパニー、アルプス電気株式会社。近年、IoTやウェアラブル市場でも存在感を増す同社のIT戦略を専務取締役管理本部長の米谷信彦氏が語る。

 

センサーネットワークモジュールでIoTをリードする

―― 「CEATEC 2014」でメガネや指輪型デバイスなど、ウェアラブルおよびIoT系製品を多数発表されましたが、今後の事業拡大に向けた戦略製品だと考えて良いですか

 現在は自動車とスマホ関連の製品が大きなウェイトを占めていますが、事業を成長させるために新しい市場を狙っていかなくてはいけません。私たちとしては、センシングが次なる事業の要になると考えています。自動車もスマホも、すでにさまざまなセンサーを搭載していますが、その先にはエネルギーやヘルスケアなど新しい市場が広がっています。ウェアラブルデバイスへのセンサーやインプット系部品の開発・提供は、その一環と位置付けています。

―― IoTやウェアラブルは、飛躍的な成長が期待されています

 私自身はウェアラブルだけが本筋とは思っていません。今は、その領域でいろいろなものを試している段階で、当たりもあるでしょうが、本質的にはHEMS(Home Energy Management System)やBEMS(Building Energy Management System)などとヘルスケアがドッキングし、家にいても会社にいてもエネルギーや健康に関する情報が集約される姿があると考えています。いかに小さく薄いものをつくるのかという“軽薄短小”は、私たちの得意分野ですからその技術を応用し、まずはウェアラブルをそしてその先を継続的に目指していきます。

―― 昨今は、農業でもセンサーが使われるなど、あらゆる分野でセンサーが注目されていますから、センシングデバイスの市場はさらに拡大するでしょうね

 確かに私たちはさまざまなセンサーの技術を持っていますが、実際にはセンサー単独ではなく、収集したデータを飛ばす通信技術との融合がカギだと考えています。この分野で私たちは高周波チューナーのノウハウを活かした通信デバイスの技術を保有しているので、それとセンサーを組み合わせた「センサーネットワークモジュール」を開発しています。これらの製品をどのエリアまで広げられるかが、これからの私たちの仕事です。

 

グローバルなワンインスタンスの基幹システム構築を目指す

―― 御社の事業概要とIT活用について教えてください

 弊社は、通信関係の仕事をしていた創業者が1948年に設立した電子部品屋です。民生領域でスイッチ、ボリューム、テレビのチューナーなどさまざまな部品を手掛けてきましたが、30年ほど前から自動関連部品が増え、現在ではグループ全体の約6割を超えるまでになりました。技術的には、機械部品から電子部品、ソフトウェアまですべて取り揃えて事業を展開しています。

 業務のIT化に関しては、1993年頃に全社でメールを導入するなど比較的早くから取り組んでいますが、基幹システムに関しては長いこと個別最適な状態でした。個別業務に対応したシステムはあるものの、グローバルでは統合されておらず、なかには現地までコピーを持っていくような運用をしていたものもありました。このままでは一元管理ができないと判断し、3年前にERPをグローバルで導入して基幹システムを統合する方針を固めました。現在、日本とASEANの統合を終え、今年度からヨーロッパに取り組む予定です。

―― 世界規模で生産・販売を手掛ける御社としては、やはり商品の流れをグローバルに見える化することが狙いなのでしょうか

 それもありますが、… 続きを読む

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米谷 信彦(こめや のぶひこ)
1955年、山口県出身。1981年アルプス電気入社、2000年からアルプス・U.K社長を経て2009年に常務取締役就任、2012年より現職
◎情報収集方法
新聞、雑誌、Web
◎コミュニケーション方法
呑みにケーション
◎ストレス解消法
ゴルフ

アルプス電気株式会社について
■ 事業内容電子部品の開発・製造、販売
■ 設立年月1948年11月1日
■ 本社所在地東京都大田区雪谷大塚町1-7
■ 資本金236億2,300万円(2015年3月末現在)
■ 従業員数37,564人(2015年3月末現在)
■ 業種製造業
■ ホームページ

http://www.alps.com/j/

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