使えないシステムは早々に見切りを付け、積極的に新たな仕組みを取り入れて、急成長を遂げたタマホーム株式会社。同社のIT戦略をシステム部部長の賀来義明氏が語る。

 

IT活用の基本方針は「ダメだったらすぐ変える」

―― 御社の事業概要について教えてください

 当社は1998年6月、新築注文住宅市場に参入し、「低価格良質住宅」で市場を切り拓いてきた会社です。2013年3月には東京証券取引所市場第1部、福岡証券取引所に新規上場。今日では、国内外に25社のグループ会社を展開し、ファイナンスや、家具・インテリア販売、地盤調査、不動産などの住まいに関わるさまざまな関連事業を手掛けています。

―― 御社におけるIT活用の方針を教えてください

 一言でいえば「ダメだったらすぐ変える」です。当社は、創業から10数年間、拠点数と社員数が倍々で増え続ける急成長期がありました。日々状況が変化する中、人材を教育し、業務品質を保ち、正しい数字を把握するには、ITが不可欠でした。また、業界の後発企業だった我々は、常にチャレンジしなければ競争に勝てないので、システムも進化させ続ける必要がありました。当時は、変化とスピードが第一に要求される状況でしたから、使えないシステムを抱え続ける余裕はなく、ダメだとわかったら早々に見切りをつけ、新しい仕組みを取り入れていく必要があったのです。

―― クラウドの採用も変化とスピードへの対応を重視した結果ですか

 我々システム部は、ハードウェアのお守り屋ではなく、経営と現場の間に立ち双方の問題を早期に解決することがミッションです。ですから、リース満了がどうとか、セキュリティがどうとか、そういった事項は枝葉末節だと思っています。それに加え、わずか9名のシステム部員で、約3,000人が使う本部システムと、全グループ会社のシステムを担当するので、ハードウェアがどうとか言っていられる状況ではありません。エンジニアのスキルや時間、コストなどの貴重な社内リソースは、できるかぎり経営と現場のために有効活用したい。それがクラウド化を進めた理由です。

―― クラウド導入で感じたメリットとデメリットは何ですか

 コストダウンを図りつつ、余分な業務を切り離しシステム部本来の業務に集中できるようになったことがメリットです。一方のデメリットは、今のところ感じていません。

―― 「ダメだったらすぐ変える」の具体例を教えてください

 約3年前、ネットで家を売る仕組みを開発したのですが、上手くいきませんでした。条件を入力すれば、ネット上で住宅購入金額を試算できる仕組みも開発したのですが、ほとんど使ってもらえませんでした。表現を変えたり、会員登録のハードルを下げたり、いろいろ対策を打ちましたが、成果が上がらず、結局数カ月でサービスを終了しました。ですが、この話には後日談があり、… 続きを読む

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賀来 義明(かく よしあき)
1973年、東京都出身。1996年(株)KSK入社、住宅系システムの開発に携わる。2005年にタマホーム入社、2010年より現職
◎情報収集方法
取引先ベンダーやその周辺人脈をいかした情報収集がメイン
◎コミュニケーション方法
自分が50の話しをしたら、相手から50の話を聞く
◎ストレス解消法
子どもと遊ぶこと

タマホーム株式会社について
■ 事業内容建築、設計、不動産業、保険代理店業
■ 設立年月平成10年6月3日
■ 本社所在地東京都港区高輪3丁目22番9号 タマホーム本社ビル
■ 資本金43億1,014万円(平成27年1月14日 現在)
■ 従業員数連結3.166名 (平成26年6月1日 現在)
■ 業種建築業
■ ホームページ

http://www.tamahome.jp

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