自動車の駆動系部品で世界トップレベルのシェアを誇る株式会社エクセディ。基幹システムのクラウド化を推進する同社のIT戦略を情報システム部部長の鹿崎良裕氏に伺った。

 

40年以上運用してきた基幹システムをビッグバンでクラウドへ

―― 御社の事業概要と強みについて教えてください

 弊社は、1950年に設立されたクラッチ、トルクコンバータ部品の専門メーカーです。現在、23ヶ国に工場・営業拠点・関連会社を41社展開しており、2013年度の連結決算は2,342億円、連結従業員数は約17,000人となっております。事業の強みとしては、グループの総合力が挙げられます。本社がトルクコンバータを、子会社のダイナックスがATミッション用の油圧クラッチなどを製造し、主に国内、ASEAN、北米で事業を展開する一方、ヨーロッパのOEMメーカーを通じてベンツやポルシェ、BMWなど欧州のカーメーカーとも取引しています。

 また、小型車から大型車、商用車、二輪車、建設機械まで、あらゆる車両の部品を手掛けていることも、強みの一つと言えます。このように全方位型ビジネスを展開することにより、ある分野が落ち込んでも他分野で補える環境を築き、過去64年間赤字なしの経営を続けてきました。

―― 御社の事業におけるITの活用法を教えてください

 2008年から約4年かけて国内拠点の基幹システムをすべてクラウド化して再構築するRE-IS(Re Engineering –Information Systems)プロジェクトを実施しました。これは1970年代後半から運用を続けてきたシステムを、将来の経営ニーズに応えられる構造と体質へ抜本的につくり直すプロジェクトです。40年以上使い続けてきた大規模システムをビッグバン型で一気にクラウドへ切り変える難易度の高いチャレンジでした。

―― プロジェクト遂行に当たり苦労された点はありますか

 社内でCOBOLを使える人の大半がリタイア間近の年齢になっており、このままではシステムがブラックボックス化してしまう恐れがありました。この課題の解消には、若い世代へのバトンタッチが必要だと考え、今回のプロジェクトは若手中心のメンバーでのぞみました。また、現場のシステムは個別最適化されており、手書き作業が数多く残っていたため、同じデータを重複入力してしまったり、計画と実績の数値が合わないなどの問題も発生していました。

 こうした課題を改善するため、現場の全ラインにハンディターミナルを導入し、情報を可視化できる環境を構築しました。現場からリアルタイムで情報を吸い上げ、そのデータを原価計算につなげ、“真の原価”がわかるシステムを構築することが、今回のプロジェクトの大きな狙いでした。

 

プロジェクト完遂を誓い関係者全員の“血判状”を作成

―― 大規模プロジェクトを円滑に進めるために工夫された点は何ですか

 弊社には、社長、専務をはじめ全役員と主要な責任者が定期的に集まる役員GD(グループディスカッション)と呼ぶ会議体があります。プロジェクトの活動がちょうど2年目を迎えた2009年の9月に、この役員GDで「紙ベースから自動入力へ」というRE-ISの狙いを明確に打ち出すとともに、5項目からなる決意表明書を策定しました。その5項目とは… 続きを読む

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鹿崎 良裕(しかざき よしひろ)
1955年、大阪出身。1979年エクセディに入社、最初の1年間は、生産技術工場を経て2年目から電算部。1997年情報システム部長に就任
◎情報収集方法
取引先の大手メーカーやSIerとの情報交換。インターネットや専門誌、セミナーへの参加など
◎コミュニケーション方法
上司とは機会をつくりフェイス・トゥ・フェイスで対話。部下は同じフロアにみんないるので日常的にコミュニケーションが取れている
◎ストレス解消法
今は仕事をしている時間が楽しくてしょうがないので、ストレスはたまらない

株式会社エクセディについて
■ 事業内容マニュアルクラッチ(手動変速装置用製品)やトルクコンバータ (自動変速装置用製品)、その他、建設・産業機械用製品、二輪車用クラッチなどを世界23ヶ国にあるエクセディグループ41社で生産・販売
■ 設立年月1950年(昭和25年)7月
■ 本社所在地大阪府寝屋川市木田元宮1丁目1番1号
■ 資本金82億84百万円
■ 従業員数17,404人(連結) 2014年3月31日現在
■ 業種運送用機器
■ ホームページ

http://www.exedy.com

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