ショッピングセンター事業や総合空間事業などを通じて、魅力的な商業空間を創造し続ける株式会社パルコのオムニチャネル戦略をWEBコミュニケーション部の林氏に伺った。

 

スマホ対応、SNS活用で顧客接点の拡大へ

――初めに、オムニチャネルに取り組んだきっかけを教えてください

 WEBコミュニケーション部は、2012年に若手メンバーを中心に立ち上げたWeb戦略プロジェクトが前身になっています。当時、「お客さまとのコミュニケーションのありようが変わってきた」という課題を受けて調査を行ったところ、お客さまの7割がスマートフォンを使ってパルコのWebサイトを閲覧していることが分かりました。FacebookやTwitter、LINEなどのSNSが盛り上がってきた時期でもあり、SNSにお客さまとの接点を設ける必要がありました。もうひとつ、パルコの全19店舗、約3,000のテナントさんすべてにブログを開設してもらおうと考えたのです。

――そのブログとは、どのようなものなのでしょうか

 パルコの限られたスタッフで、約3,000件のブログ情報を更新するのは物理的に困難です。そこで注目したのが、テナントさんが独自に運用する「記事で紹介した商品が売れている」ショップブログでした。中には、旅行でPARCOに来られた県外のお客さまが来店後にショップブログの読者になり、地元でも購入できる商品であるにもかかわらず、ブログを見て購入を決めたという理由で、ショップ宛に現金書留を送ってくるケースもありました。

 そのテナントさんでは、ブログの読者から月に何件か通販の依頼があるとのことです。そのような商品知識があり、熱意もある店員さんがブログで接客する仕組みを、全19店舗に展開してみようと考え、2013年春にWEBコミュニケーション部としてプロジェクトを立ち上げました。

――どのような手順で進められたのでしょうか

 最初に取り組んだのが、全国のパルコ19店舗のWebサイトリニューアルです。ここに3,000のテナントさんのブログを開設し、テナントさんが日々更新するブログをWebサイトのメインコンテンツにしました。並行してパルコ側のスタッフが運用する全19店舗分のSNS(Facebook、Twitter、Google+、LINE)の公式アカウントを開設し、Webサイトへの導線を設けることで、お客さまとの接点を拡大。2013年の11月より全店での運用をスタートしました。

――リニューアルの効果はいかがでしたか

 リニューアル直後の段階で、ブログに投稿される記事数が1カ月で1万件を超え、250万PV(ページビュー)を獲得しました。つまり1つの記事当たり250人に読まれている、いわば接客できている計算になります。実店舗で一度に250人の接客は不可能ですが、Webなら可能です。場所や時間の制限なく、Web上で接客できるプラットフォームが整ったわけです。なお、リニューアル前は全国19店舗合わせてSNSに約10万人のフォロワーがいましたが、リニューアル後徐々に増え、2014年12月時点で100万件を突破しています。

 

購入につなげるオムニチャネルの仕組みづくり

――Webサイトのリニューアル、ショップブログ拡充に続く取り組みを教えてください… 続きを読む

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林 直孝(はやし なおたか)
全国パルコの店舗や本部での運営業務から、関連会社でWeb事業を行う株式会社パルコ・シティを歴任。2013年より新設されたWEBコミュニケーション部に着任しWebを通じた顧客コミュニケーションやオムニチャネルの戦略立案と実務執行を行っている。
◎情報収集方法
情報が早くて深いWebメディアが中心
◎コミュニケーション方法
SNSのグループなどを利用してスタッフ間でスピーディーに情報共有
◎ストレス解消法
ランニング(後のビール)

株式会社パルコについて
■ 事業内容商業施設の開発・運営
■ 設立年月1953年(昭和28年)2月13日
■ 本社所在地東京都豊島区南池袋一丁目28-2
■ 資本金343億67百万円(2014年2月末日現在)
■ 従業員数627名(単体)、 1,994名(連結)(2014年2月末日現在)
■ 業種百貨店・不動産
■ ホームページ

http://www.parco.co.jp/

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