2015.01.22 Thu

楽天証券の3つのアーキテクチャ戦略

楽天証券株式会社 常務執行役員 情報システム本部長 平山 忍 氏

 異なるアーキテクチャで構築した3つの基幹システムを運用している楽天証券株式会社、その理由や同社のIT戦略について常務執行役員の平山忍氏に伺った。

 

楽天イーグルスの優勝で新規口座開設数が激増

―― 御社の事業概要について教えてください

 証券会社は国内に250社以上あり、その多くがリテールを対象とする証券会社です。日本は、個人投資家が約25 %のシェアを持つといわれていますが、これほどリテールの証券会社が乱立している国は他にありません。その数ある証券会社の中で当社の特徴は、オンライン専業であること、そして母体となっている楽天が流通業だということです。楽天市場をはじめとする楽天グループの生態系の一部に位置付けられていることが、当社最大のユニークネスです。

―― 流通業が母体だと、どのようなメリットがありますか

 楽天市場や楽天トラベル、楽天カードなどをご利用のお客さまと接触できる窓口があり、導線を共有できることです。たとえば、2013年の11月に当社の新規口座開設数は、通常の3倍以上に跳ね上がりましたが、その要因は楽天イーグルスの優勝でした。

―― プロ野球と証券会社の口座開設が結びつくのですか

 これが結びつくんです。まさに、そこが強みなんですよ。ジャイアンツが優勝すると三越さんに人が押し寄せますよね。それと同様にイーグルスが勝てば楽天グループ全体のアクセス数が増え、導線を共有している当社にも好影響が出ます。さらに、マーケットでは楽天グループへの期待感が高まりますから、その相乗効果もあり口座開設数が増えるのです。

―― 取り扱う金融商品やサービスに関する差別化のポイントを教えてください

 取り扱う商品は、現物株、上場先物、オプション、外国市場などの上場商品が多いこともあり、どこで買っても大差はありません。手数料もさほど大きな差はありません。この各社横並びの市場で、差別化のポイントとなるのは、非上場商品を含めたフルラインで商品をサポートできるかどうかです。

 最近は「待ち合わせの間に飲み代くらい稼げるかも」みたいなノリで、スマホ経由で少額のFXを始める若年層が多いんですね。そういう方が取引経験を重ねて、一定の年齢になり「そろそろ株でも」と考えたとき、きちんとその受け皿を提供できることが重要だと思っています。

 

24時間365日、止まらない可用性を競争力に

―― システムの面で他社と差別化できる要素はありますか

 システム停止を未然に防止する対策をしっかり打っていることと、万一の障害発生時に迅速な代替手段を提示できること、さらに障害時間の短縮、復旧後の誘導にも注力しており、そこは差別化のポイントになると思っています。また、ご不便をおかけしてしまった場合の対応は各社各様異なりますが、当社ではそのサービスレベルでも差別化が図れていると考えています。

―― 可用性を高めるための対策を教えてください

 データセンター内の冗長化は当然ですが、それに加えて… 続きを読む

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平山 忍(ひらやま しのぶ)
1959年石川県出身。1983年、野村総合研究所入社して以降、30年にわたり証券システムの構築や運営に携わり、2011年楽天証券に入社。2012年4月より現職。システムの安定化やセキュリティ強化に加え、新楽天FXや証券業務システムの更改等に取り組む。
◎情報収集方法
証券ITの同業者との情報交換。媒体は一般的なものを一通り。セミナーは年に数本行くが、行けない場合は部下に行かせて報告を得る。ネットは中毒のように使う。
◎コミュニケーション方法
「コミュニケーションは取れない」が前提なので、自分から話しかけるようにする。プロジェクト終了時に必ず打ち上げを行う。
◎ストレス解消法
山登り、トレッキング、ウォーキング。

楽天証券株式会社について
■ 事業内容オンライン専業証券
■ 設立年月1999年(平成11年)3月24日
■ 本社所在地東京都品川区東品川4丁目12番3号 品川シーサイド楽天タワー
■ 資本金7,495百万円
■ 従業員数269名 (2014年5月31日現在)
■ 業種金融商品取引業
■ ホームページ

https://www.rakuten-sec.co.jp

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