2014.12.04 Thu

独自技術で世界を席巻する精密機械メーカー

日機装株式会社 取締役 常務執行役員 中村 洋 氏

 独自の技術を活かし、エネルギー、航空、医療などの分野で世界的な実績を誇る日機装グループのIT戦略を取締役常務執行役員の中村洋氏に伺った。

 

独自技術を活かし、小規模市場で世界トップシェアを誇る精密機械メーカー

―― 御社の概要と業界における強みを教えてください

 日機装グループは、半世紀以上にわたり、エネルギーや石油化学などの基幹産業分野、ITなどの先端製品の製造・研究をバックアップする高圧・粉体技術分野、血液透析関連製品を中心とした医療機器分野、炭素繊維を使用した逆噴射装置用部品の航空機分野、さらに最近では紫外線LEDなど新しい分野で独創的な技術・製品を提供している会社です。幅広い分野で事業を展開していますが、いずれにも共通しているのが比較的小規模の市場で業界トップクラスのポジションにいることです。たとえば、売上の約4割を占めるポンプは、冷蔵庫や自動車などに使われる汎用的な製品ではなく、油井で使われるような大型の特殊ポンプです。こうした特殊ポンプを製造できる企業は、世界でも数社しかありません。その一角を当社が占めているということです。

―― ほぼすべての製品がカスタムメイドということですか

 汎用品も扱っていますが、やはりカスタムメイドの製品が多いですね。たとえば、キャンドモータポンプという製品は、分子レベルの漏えいさえ起こさない完全密閉型のポンプです。通常の用途であれば、これほどの密閉レベルは必要はありませんが、原子力発電所などで使用する場合、分子レベルでも絶対に漏れては困るのです。そこで、モーターからハイドローリックな部分まで全体を缶詰のようにシールし、絶対に漏れない構造にするわけです。このレベルのキャンドモータポンプを造れるのは、世界でも3社しかありません。もちろん、大手メーカーさんが本気を出せば造れるのでしょうが、市場規模が数百億円程度なので間尺に合わないわけです。そういった分野で、独自の製品を開発・提供していることが当社の強みと言えるでしょう。

―― エネルギーや航空機、医療など高い精度が求められる分野に特化していますね

 冒頭に申し上げた油井で使うポンプなどは、ガッチャンガッチャン音を出して動いているので、どこが精密機械だと思われるかもしれませんが、こういうポンプは24時間365日、長いものは30年間も動き続けます。その間、わずかなズレも許されません。その精度を実現できることが当社の強みです。あまり広くない市場の特定事業領域で、独自技術を活かして精度の高い製品を提供すること、それが当社のミッションです。

 

IT革命を取り込み、できなかったことをできるように

―― 事業におけるITが果たす役割を教えてください

 自動車産業や家電産業のように日々大量の製品を生産している業種では、部品の値段が0.何円下がるだけで大きな違いが生まれますが、当社の事業では、… 続きを読む

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中村 洋(なかむら ひろし)
1953年東京都出身。1976年に東京銀行入社、東京三菱UFJ銀行執行役員を経て2007年3月に日機装に入社し同年取締役就任、2013年11月から現職。
◎情報収集方法
メールでの情報収集がメイン。各分野の詳しい人に直接聞く。
◎コミュニケーション方法
メール、電話だけで済ませず、顔を合わせること。
◎ストレス解消法
特になし。

日機装株式会社について
■ 事業内容インダストリアル事業本部 
<ポンプ、システム事業>
・特殊ポンプなど産業プロセス用流体機器の製造および販売
・火力・原子力発電所向け水質調整装置などの製造および販売
<精密機器事業>
・粉粒体物性測定装置の製造・販売
・積層セラミック電子部品製造装置および生産システムの製造・販売

航空宇宙事業本部 航空機用部品など炭素繊維強化複合材による成形品の製造および販売
メディカル事業本部 血液透析装置、ダイアライザー、透析用血液回路セット、人工腎臓透析用剤、人工膵臓(血糖管理装置)などの製造および販売、腹膜透析関連製品の販売
■ 設立年月1953年12月26日 ※登記上の創業日は1950年3月7日
■ 本社所在地東京都渋谷区恵比寿4丁目20番3号 恵比寿ガーデンプレイスタワー22階
■ 資本金6,544,339,191円
■ 従業員数1,627名 (グループ会社連結 : 6,198名)
■ 業種精密機器
■ ホームページ

http://www.nikkiso.co.jp

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