100%オイルカットや送料無料という斬新な戦略で化粧品通販という市場を確立したオルビス。同社が社運を賭けて挑んだ基幹システム再構築を統括した前山純男に話を聞いた。

 

ブランド再構築に向けて基幹システムを刷新

――御社は化粧品の通信販売ではパイオニア的存在ですね。

 当社で通信販売を開始したのは1987年です。当時からカタログでは香りや使用感、正確な色が表現できないため、化粧品はもっとも通信販売に向かない商品といわれていました。我々はそのデメリットを払拭するために、30日以内の返品・交換OK、送料無料という他にないサービスを掲げました。こうした画期的な施策と100%オイルカットという商品コンセプトが受け入れられ、徐々にお客さまを増やすことができました。その後、1999年にはネット通販へ販路を広げ、2000年には店舗も展開。現在、全国に108の店舗を構えています。

――現在ブランド再構築を推進しているそうですが、その背景を教えていただけますか。

 これまではカタログの文章をじっくり読み、商品特性をご理解いただける30代、40代の知的な女性をターゲットにブランドを展開してきたのですが、2000年以降、商品バリエーションを拡大し、女性誌とのコラボレーション企画などを仕掛けた結果、10代後半以降の若年層の支持が急増しました。大変喜ばしいことですが、一方で古くからの優良なお客さまが「若い人のブランドになった」と卒業していったり、年齢を重ねた方がオイルカットでは保湿効果が物足りないと離れてしまう傾向がみえてきたのです。会社としてこの状況に強い危機感を抱き、提供価値をいちから見直し、生涯お付き合いいただけるブランドに変わらなくてはいけないと考えました。オイルカットや送料無料という斬新なアイデアを打ち出した創業時の気持ちを思い出し、もう一度革新的なブランドに生まれ変わるため、ブランド再構築に踏み切ったのです。

――基幹システムの刷新は、ブランド再構築に向けた取り組みと考えてよいですか。

 より正確に言えば、基幹システム刷新の狙いは、ブランド再構築を実現するための基盤整備にあります。従来の基幹システムは20数年前に構築したホストで、バッチでしかECと連携できず、翌日まで施策の状況が掴めないし、キャンペーン時にEC側のアプリを修正すると、ホストでもアプリ修正が必要になり、工数もコストも二重にかかっていました。このままではシステムがネックになり構造改革を進められない。このような危機感から、今回のプロジェクトがはじまりました。

 

危機的状況に陥った大規模プロジェクト

――当初から前山様がプロジェクトを率いていたのですか。… 続きを読む

全文(続き)を読む

続きを読むにはログインが必要です。

まだ会員でない方は、会員登録(無料)いただくと、続きが読めます。

前山 純男(まえやま すみお)
神奈川県出身。2012年4月からオルビスで基幹システム再構築プロジェクトを統括。
◎情報収集方法
大学生と社会人の娘2人が貴重な情報源。化粧品に限らず世の中の流行など、ビジネスの場では得られない情報を得ている。
◎コミュニケーション方法
メールで要件を済まさず、できるかぎり自分から足を運んで顔を合わせて会話する。
◎ストレス解消法
ウォーキング。気の合うグループと東海道全行程を歩いている。今、静岡県なので定年までに全行程を歩きたい。

オルビス株式会社について
■ 事業内容化粧品、栄養補助食品、ボディウェアの企画・開発および通信販売・店舗販売
■ 設立年月1984年6月
■ 本社所在地東京都品川区平塚2-1-14
■ 資本金5億円
■ 従業員数1,235名(2012年12月31日現在)
■ 業種化粧品
■ ホームページ

http://www.orbis.co.jp/

関連キーワード

合わせて読む